牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「世界最初の金融危機?」


 世界最初の銀行が設立され、政府による本格的な政府による債務の調達が開始され、現在の金融システムに近いものが構築された金融取引が活発化した12世紀のベネチア、ジェノバなど北イタリア諸都市では、早速、金融危機が発生しました。

 14世紀初頭、トスカナ地方で破産が多発し、当初の破産は限定的な地域に止まったものの、まもなくその広範囲な金融危機となっていったのです。

 フィレンツェ地方で銀行業務を営んでいたバルディ、ベルッツィなどの商会は、ヨーロッパ各地に支店を持ち王侯、貴族に融資しており、特にイギリス王との関係が深く、特にエドワード三世に対して巨額の資金を貸し付けていたのです。

 そして1339年、のちに英仏百年戦争と呼ばれたフランスとの戦争が勃発し、英国王室と関係の深い両銀行は戦費を引き受けざるを得なかったのです。戦争は莫大な出費を伴い、債務総額は王国の価値に匹敵するとも言われました。さらにバルディ、ベルッツィなどの商会が英国の戦費を賄っていると知ったフランス王は対抗手段としてフランス全域に有る両銀行の支店を閉鎖させ資産を没収しました。

 これを受けてバルディ、ベルッツィの両商会は、貸付先の英国に返済を求めたのですが、英国は莫大な債務を支払う能力は無く、その結果として債務不履行は避けられず、銀行業を営んでいた商会は一時支払停止をせざるを得なくなり、苦境に立たされたバルディ、ベルッツィは倒産し、フィレンツェの経済は大混乱を招いてしまったのです。さらにフィレンツェの政治も混乱を極め、一時的に民主自治の制度を放棄する事態をも招きました。加えて追い討ちを掛けるようにペストが猛威を振るったのです。

 こうしてみると、2007年からの米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的な金融危機も、大昔から繰り返されていることがわかります。
[PR]
by nihonkokusai | 2008-10-20 09:08 | 国際情勢 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31