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「極めて異例の緊急協調利下げ」


昨日、欧米の中央銀行に加え一部新興国も含め、10の中央銀行が同時に0.5%の緊急利下げを実施した。利下げを行なったのは、FRB(政策金利は1.5%に)とECB(3.75%)、そしてBOE(4.5%)に、カナダ中銀(2.5%)、スウェーデンのリクスバンク(4.25%)にスイス中銀(2.5%)。さらに中国(6.93%)、アラブ首長国連邦(1.5%)、そして事前に発表していた香港(2.5%)にクウェート(4.5%)も加えると10の中央銀行。

 これだけの中銀が同時に緊急利下げを行なうことは極めて異例、さらに利下げ幅も0.25%ではなく0.5%と大幅なものとなった。日銀はもし0.5%下げるとゼロになってしまうなど、すでに政策金利は低い水準にあったことで今回の利下げには加わらなかったが、今回の同時利下げに対し、歓迎すると発表し、引き続き市場への資金供給拡充などで協力するとした。

 日銀ではFRBと同様に、これまで無利子であった準備預金に対し利息をつけることを検討することなどの検討を白川総裁が指示したとも伝えられた。ここにきて世界的な金融不安により、国内の外銀も資金が取りづらくなり、日銀も毎日積極的な資金供給を行なっているが、準備預金に利子をつけることにより、準備預金に資金が集れば、より機動的な資金供給ができることなどが準備預金への付利の目的ともみられる。

 この協調利下げに加え、英国では大手行に対しても政府が公的資金を注入するとの発表があった。協調利下げ発表後は、欧米の株式市場は一時前日比プラスになる場面もあったが、市場ではある程度、昨日の緊急利下げは織り込まれていたとみられ、さらに利下げによる実質的な効果というのもすぐには出てこないし、今回の金融危機への根本的な解決策にはなりえない。それでも協調利下げが実施されたのは、アナウンスメント効果により、すこしでも市場の不安心理が緩和することが目的かともみられる。いずれ米国でも市場に促されるかたちで公的資金の注入が実施されると思われるが、さらに景気悪化に歯止がかかるといった認識が強まらないと、なかなか株式市場への動揺は収まらないと見られる。
by nihonkokusai | 2008-10-09 09:03 | 日銀
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