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「米下院で金融安定化法案が否決」


 29日の米下院本会議において、最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で不良資産を買い取ることを柱とした金融安定化法案は、採決において賛成205、反対228と反対多数で否決された。共和党で133票の反対があったとも伝えられ、民主党からは100票近い反対票が出たこととなる。巨額の公的資金投入に国民の理解が得られないと世論を気にする議員が多かったとみられ、必死に法案可決を訴えたブッシュ政権に対し共和党から大量の造反が相次いだ格好となった。

 マーケットにとっては、これはまさかの否決となり、株式市場ではダウが前日比777.68ドル安と過去最大の下げ幅となり、米債は質への逃避の動きから2年債利回りが一前日比-0.44%の1.66%に、10年債利回りは前日比-0.28%の3.57%と大幅に低下した。外為市場では106円台にいたドル円は、円買いドル売りの動きを強め104円を割り込み、NY原油先物は、景気減速観測の強まりによりWTI11月物が前日比10.52ドル安と大幅に下落した。

 今回の「まさかの否決」と言うのは、事前の報道で政府と議会が大筋で合意と伝えられていたことによる。蓋を開けて見ると米有力マスコミですら票読みができないくらいに11月の選挙を前にした両党幹部の統制がきかない事態が発生していたようである。

 日本でも1996年に政府は住宅金融専門会社(住専)の破綻処理に6850億円の公的資金を投入した際に、世論や野党から強い批判を浴びていた。この際には、住専の乱脈経営の穴埋めに国民の血税を使うのかといったモラルハザードの問題が指摘された。これによりその後の金融システム不安の強まりへの対応が遅れる結果ともなった。

 米国でも住宅価格の下落はまだ道半ばとの見方も強く、日本のバブル崩壊後のバランスシート不況と同様の状況が発生しうる可能性がある中での、選挙などを意識しての今回の金融安定化法案の否決という事態により、米国発の金融不安への解消にはさらに時間を要する可能性が出てきた。

 日米欧の金融当局は、さらなる金融封じ込め策を強化策を発表した。日欧など中銀はFRBからのドル資金調達額を6200億ドルに倍増することとし、日銀は29日夜に緊急の金融政策決定会合を開催し、国内市場へのドル供給額をこれまでの倍の1200億ドルとし、期間も来年の1月末から4月末に延長することとなった。さらにFRBは3か月物の資金供給制度(TAF)を一回あたり供給額を250億ドルから750億ドルに拡大した。また1998年の金融国会におけるドタバタとの類似点などもある。

FRBは今回の金融関連化法案において、準備預金への金利付与の前倒しも盛り込んだが、これは結局否決された。今回の金融封じ込め策の強化は、金融安定化法案が可決されると見ての相乗効果を狙った可能性もある。
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by nihonkokusai | 2008-09-30 10:06 | 債券市場 | Comments(0)
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