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「秋の個人向け国債」


 9月4日から2008年秋の個人向け国債の募集が開始された。募集期間は9月4日から9月30日までとなる。個人向け国債の募集期間は10年債入札日(今回は9月2日)の翌々営業日から月末最終営業日までとなる。10年国債入札の結果により10年変動タイプの初期利子が決定され、5年固定の条件も10年国債入札日の5年債利回りに応じて決定され、その結果は10年入札日の翌朝8時50分に発表される。条件決定から募集開始日まで1日開くのは販売業者の準備のためである。

 個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の「想定利回り」となる。

 10年変動タイプの初期利子を決める基準金利は10年国債の入札の結果、1.49%(前回は1.80%)となり、変動タイプの初期利子はここから0.8%差し引かれた税引き前での0.69%(前回は1.0%)となる。

 5年固定タイプの利率の発表は、年率税引き前で0.99%(前回1.22%)」となった。

 7月に発行された前回債は、第23回変動10年の初期利子が1.0%(税引き前)、第11回固定5年の利率が1.22%(税引き前)となっていたが、この条件が決まったころの債券相場は世界的に物価上昇が意識され長期金利が上昇基調となっていた。欧米の金融当局者からはインフレを懸念する発言も相次ぎ、米国にとってインフレ要因としてドル安も懸念され、財務長官はドル買い介入も示唆していた。FRBやECBなどからはインフレへの対応として利上げを示唆するような発言も出るなど、原油をはじめ穀物など含めて商品市況の高騰を阻止し、ドル安も阻止しようとの意気込みも見え隠れしていた。

 これにより夏の個人向け国は変動の初期利子、固定の利率ともに大きく引き上げられており、10年変動タイプと5年固定タイプの合計で9952億円と前回の春の分の販売額の約3倍に増加した。

 しかし、その後原油価格は下落基調となり、物価の上昇よりも日欧米ともに、景気の減速から後退が意識され始めた。また米住宅公社の経営不安から、再び金融システム不安も台頭し、債券には質への逃避による買いも入ってきた。これを受けて長期金利は8月29日に一時1.4%まで利回りが低下した。9月2日の10年国債の入札時も長期金利は1.4%台となり。6月の10年国債入札の頃の1.7%台に較べて0.3%あまりの低下となった。

 個人向け国債の販売額は、これまでの販売状況を見ても質への逃避といった流れといった影響と言うよりも、決定された利子の高さに影響を受けやすい。特に前回の利子(10年は初期利子)が高かっただけに、今回の秋の個人向け国債の販売額はやや苦戦となることが予想される。
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by nihonkokusai | 2008-09-09 16:29 | 国債 | Comments(0)
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