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「貯蓄から投資への難しさ」


 個人の資金は、米サブプライム問題に端を発する世界的な金融市場の混乱とともに、米サブプライム問題が生じた背景となっている米住宅市場のバブル崩壊なども手伝い米国の景気後退、その影響を受けての日欧も景気後退を余儀なくされた。先進国の景気後退をきっかけに、先行きの原油に対する需要減など意識され、原油先物価格は急落し、他の商品相場もピークアウトした。外為市場では、ドルや円を調達して他の国の資産に資金を振り向けるような動きとなっていたが、原油先物価格の下落など背景に、ドルや円が他通貨に対して買戻されるなど、ここにきての世界市場はかなりの波乱含みの展開となってきている。

 日本では貯蓄から投資への流れを受けて、リスクがある投資商品に対しても個人の資金は積極的に資金が向かっていた。しかし、そういった流れは昨年夏あたりから変化が生じてきている。9月9日の日経新聞が伝えているように、個人はリスク資産からより安全な資産への資金シフトを強めており、その資金は銀行の預金などに向かっている。ただし、景気後退もあり、銀行の貸し出しが伸びず、民間銀行の預金の貸出金に対する超過額は150兆円弱にも及ぶ。米金融不安は住宅公社への救済策などにより、今後は解消に向かう可能性はあるものの、邦銀も当面はリスク資産での運用は手控えられるとみられ、この資金は国内で最も安全資産となる国債への投資などに回っているとみられる。

 資金運用のプロ中のプロとみられていた欧米の大手銀行といえども、米国のサブプライムローンに絡んでの保有する証券化商品の巨額損失が発生するなど、プロとはいえ相場の先行きを読み誤ることは多々ある。日本でもバブル崩壊によって大手銀行が多大な不良債権を抱えてしまったこともひとつの事例となろう。

 このため投資というリスクに対しては個人も当然のことながら。自己責任で望まなければならない。しかし、投資の未経験者にいきなりリスクの大きな投資をしろということにも無理がある。今回のサブプライム問題のように、燻っていた問題が突然表面化し、それがグローバル経済化にともなって瞬く間に世界の市場に影響を与える。しかし、今回のように複雑な商品が絡むとなれば、何が起こっているのかを知るにはそれなりの専門知識も必要になる。

 個人の資金を投資に向かわせるためには、政府もある程度の投資家保護に努めるとともに、個人に対しての金融経済知識の普及といったものも必要になってこよう。金融リスクに備えるためには、知識が重要な武器となるためである。もちろんチャートの読みといったような投資の経験に裏付けられた相場の知識も得ておくことが必要になる。このような金融知識の普及なしには、なかなか政府が思うような貯蓄から投資への流れを作ることも難しいのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-09-09 10:16 | 投資 | Comments(0)
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