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「福田首相辞任と今後の債券相場」


 9月1日の夜9時半からの臨時記者会見で、福田康夫首相は退陣する意向を明らかにした。ねじれ国会に加えて、連立与党の公明党とのねじれ関係も指摘され、政権運営を維持することは難しいと判断したものとみられる。

 福田首相は8月末に打ち出された総合経済対策においても、赤字国債の発行を避けるなど財政再建への姿勢を貫いていた(ただし、建設国債は発行する模様)。しかし、公明党などに押し切られる格好で年度内の定額減税実施を盛り込むなど、景気後退観測の強まりもあり財政再建路線を貫くことが難しくなってきた。

 ポスト福田の最有力候補は麻生自民党幹事長とみられているが、麻生氏は幹事長就任時に2011年度にプライマリーバランスを黒字化するとの目標の先送りに言及するなど、仮に首相となった際に財政再建路線からは一線を画する可能性が強い。

 今回の福田首相の辞任で、年内の衆院解散総選挙の可能性も強まり、その際には歳出増圧力が強まりかねない。選挙の結果次第では民主党が政権を握る可能性もあるが、マニフェストの公約をそのまま実施するとなれば、やはり歳出圧力は強まろう。

 いずれにしても、選挙に加え景気後退もあり今後は小泉政権意向の政権が貫いてきた財政再建路線に対して転機を迎える可能性が出てきている。消費税の引き上げも選挙を意識すれば棚上げせざるを得なくなろう。

 景気対策としても今回の総合経済対策だけでなく、第二次経済対策などが新政権のもと打ち出される可能性もあり、いずれにせよ国債への増発圧力は今後さらに強まるものとみられる。さらに景気後退による税収不足も加わり、前倒し発行分のバッファーはあるものの、来年度以降の国債発行計画における国債の増発は避けられないとみられる。

 国債管理政策の進展に加え、景気回復も伴ってここ数年は翌年度の国債発行計画は債券市場にとってはほとんど影響を与えていなかった。しかし、景気後退に加えて、財政構造改革路線の変更は中長期的な国債需給の圧迫要因ともなりかねず、債券市場にとり懸念材料のひとつとなってくるものとみられる。

 景気後退の期間の長さとその深さ次第では、日銀による利下げなどが意識される可能性もあるが、いずれにしても、債券市場参加者にとり、景気の行方とともに今後の政権の行方は、国債需給の行方を見定める上でも重要視されるものとみられる。
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by nihonkokusai | 2008-09-02 13:11 | 債券市場 | Comments(0)
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