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「北京オリンピック後の中国経済」


 中国の威信をかけた北京オリンピックが24日に閉会式を向かえた。北京オリンピック後の中国経済の動向が市場では注目されている。競技施設だけではなく道路や鉄道などのインフラ整備を加えた北京オリンピックへの関連投資額は約400億米ドルとの試算もある。2007年の中国のGDPは3兆2800億米ドルであり、その比率はさほど大きくはなく、GDPの押し上げ効果も限られたことで、北京オリンピック後の景気後退はさほど大きくはないとの見方もある。

 日本での東京オリンピックの昭和39年と比較してみると、昭和39年度の日本のGNPが30兆円に対して、東京オリンピックへの関連投資は新幹線や首都高などのインフラ投資を含めて1兆円程度と言われており、中国の対GDP比1.2%程度に対して、当時の日本は対GNP比3.3%程度と確かに開きは大きい。

 このため日本の昭和40年不況時のように、オリンピック景気の反動による景気後退は中国では起きないのではないかともみられている。日本では昭和30年台の後半にかけて高水準の設備投資が続き、その反動が東京オリンピック後に現れた。しかし、今回の中国では、北京オリンピック景気と言われるような設備投資ブームまでは引き起こされておらず、影響は限定的となる可能性はある。

 しかし、気になる類似点としては株安がある。昭和40年不況の象徴的な出来事は、山一證券への日銀法25条にもとづく無担保・無制限の特別融資(日銀特融)であったが、この際には株価が急落し続け信用不安が広がりをみせていたことが要因となっていた。

 ここにきての中国株式相場の下落が止まらず、上海総合指数はオリンピック期間中も下落し続けている。これは国内事情だけではなく、米サブプライム問題を発端とした米経済減速や、原油高といった要因も大きいとみられる。しかし、オリンピックまでは株価は上昇すると見込んでの買いがあったことの反動といったものも大きかったのではなかろうか。

 日本の40年不況ほどの景気後退は北京オリンピックでは考えづらいかもしれない。しかし、海外要因も含めて中国経済が減速してくる可能性は強まっている。ただし、日本の40年不況はあとから振り返ると戦後初の国債発行をせざるを得なくなったものの、東京オリンピックに向けての首都圏を中心としたインフラ整備が功を奏し、その後の高度成長に向けての原動力となった面がある。中国でのインフラ整備はまだまだこれからかと思われるが、整備が進めばさらなる経済発展の礎ともなる。このため一時的な調整はむしろ良いガス抜きとなる可能性もある。
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by nihonkokusai | 2008-08-25 10:54 | 景気物価動向 | Comments(0)
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