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「声明文の変化」


 日銀は7月の金融政策決定会合から「決定内容に加え、その背景となる経済・物価情勢の評価を2つの柱に基づいて整理して示すとともに、先行きの金融政策運営の考え方について公表する」ことになった。

 これまでは「日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.5%前後で推移するよう促す。」といったような簡潔な内容となっていたが

 7月15日に発表された「当面の金融政策運営について」では、決定事項とともに景気物価の現状と見通し、4月の「展望レポート」の見通しとの比較、そして今後の「リスク要因」、先行きの金融政策運営の考え方がまとめられた。

 8月18日から19日にかけて開催された金融政策決定会合では、全員一致で現状の金融政策を維持することが決定されたが、同時に発表された声明文を確認してみたい。景気物価動向については、足元景気に対し7月の「さらに減速している」から、「停滞している」に下方修正された。日銀の景気判断における停滞との表現は1998年以来の10年ぶり。先行きについても景気回復のためには「国際商品市況高が一服し、海外経済も減速局面を脱するにつれて」という条件を付記している。物価面については「90年代前半以来の高い伸び」との表現が加わった。そして今後の経済動向については、7月の「持続的な成長を続ける可能性が相対的に高い」との表現から8月は「成長経路に復していくとみられる」との表現に変った。

(8月19日) わが国の景気は、エネルギー・原材料価格高や「輸出の増勢鈍化」など背景に「停滞している」。先行きは、当面減速を続け可能性が高いものの、「国際商品市況高が一服し、海外経済も減速局面を脱するにつれて」、次第に緩やかな成長経路に復していくと予想される。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、石油製品や食料品の価格上昇などから、足許+1%台半ばと「90年代前半以来の高い伸びと」なっている。先行きは、当面上昇率がやや高まった後、徐々に低下していくと予想される。このように、わが国経済は、物価安定の下で持続的な「成長経路に復していくとみられる」。

(7月15日) わが国の景気は、エネルギー・原材料価格高を背景に、設備投資や個人消費の伸びが鈍化するなど、さらに減速している。先行きは、当面減速が続くものの、その後次第に緩やかな成長経路に復していくと予想される。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、石油製品や食料品の価格上昇などから、足許+1%台半ばとなっている。先行きは、当面上昇率がやや高まった後、徐々に低下していくと予想される。このように、わが国経済は、物価安定の下で持続的な成長を続ける可能性が相対的に高い。

 リスク要因についての中では、7月の「国際商品市況の高騰」という表現が「国際商品市況の動向を反映した」と変化した。また景気の下振れリスクについては「設備・雇用面での調整圧力を抱えていないとはいえ」との表現が8月には加味されており、むしろ設備・雇用面での調整圧力の可能性にも注意を払っているようにも伺える。物価面においては、世界的にインフレ圧力が7月の「一段と高まっている」から「高い状況が続いている」に変化した。

(8月19日) 国際金融資本市場は不安定な状態が続いている。また、米国経済など世界経済には下振れリスクがある。国内民間需要については、国際商品市況の「動向を反映した」所得形成の弱まりから下振れるリスクがある。「設備・雇用面での調整圧力を抱えていないとはいえ」、景気の下振れリスクには注意が必要である。物価面では、世界的にインフレ圧力が「高い状況が続いている」。わが国の物価については、エネルギー・原材料価格の動向に加え、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動の変化など、上振れリスクに注意が必要である。この間、景気の下振れリスクが薄れる場合には、緩和的な金融環境の長期化が経済・物価の振幅をもたらすリスクが高まると考えられる。

(7月15日) 国際金融資本市場は不安定な状態が続いている。また、米国経済など世界経済には下振れリスクがある。国内民間需要については、国際商品市況の高騰に伴う所得形成の弱まりから下振れるリスクがある。このように、景気の面では下振れリスクに注意する必要がある。物価面では、世界的にインフレ圧力が一段と高まっている。わが国の物価については、エネルギー・原材料価格の動向に加え、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動の変化など、上振れリスクに注意が必要である。この間、景気の下振れリスクが薄れる場合には、緩和的な金融環境の長期化が経済・物価の振幅をもたらすリスクが高まると考えられる。
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by nihonkokusai | 2008-08-19 13:32 | 日銀 | Comments(0)
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