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「門間日銀調査統計局長の講演より」


 25日に日本証券アナリスト協会主催の講演会があった。今回の講師は門間一夫日銀調査統計局長ということで、昨年に続いて拝聴させていただいた。記憶とメモを頼りに内容をまとめてみるつもりだが、一部聞き間違い等がある可能性もあり、あくまで参考程度に読んでいただけたらと思う。

 まず、日銀短観から見た日本経済の動向について、製造業DIの動向などをみると、いざなぎ景気を超えてきた現在の景気拡張局面から景気後退局面に入る可能性もありうると指摘。ただし相断定することもできないとも。日本経済は厳しい状況が続いており、ここ数か月が正念場との見方も。

 ただし、GDPなどを見る限り景気はしっかりしており減速しているとも見えないが、ここにきて日本経済の圧迫要因となっている「交易条件の悪化」がGDPにはすぐに反映されていないと指摘。GDPは増加してもGNI(実質国民総所得)は減少し、働いても儲けに繋がらない状況ともなっている。

 その交易条件の悪化は2003年頃からの傾向となっており、今に始まったわけではないが、ここにきての内需のペースダウンも重なったことで、足元経済が相当厳しいものとなっており、さらなる輸入物価の上昇を受けての交易条件の悪化は今後さらに厳しい状況に。

 米経済の減速は、サブプライム問題以前からすでに減速傾向となっており、2007年前半から住宅投資や設備投資にその兆候がみられたように内需の減速が要因。今後については高い新興諸国の成長率がどこで止まるのかといったことが注目点となる。

 日本での住宅投資については、昨年の改正建築基準法の影響もあるが、その後も前の水準には戻れず、それ以前にピークアウトしていたとみられる。

 設備投資に関しては、自律的な調整となり行き過ぎの前にエンジンブレーキをかけたような状況に。米サブプライム問題による米経済減速など外的ショックに対しては新興国がカバーしていた。ただ法人企業統計等からみても大勢としては設備投資は弱いとも。

 個人消費については販売統計合成指数などを見ても潮目が変った可能性も。このため月報で伸び悩みとの表現に。

 雇用については中高年の失業率が上昇し、中高年の雇用環境が厳しい。全体としても雇用の伸び率は止まっているといった状況に。

 賃金については、人手不足が続いていたことや団塊世代による押し下げ効果が後退したことで小幅ながらプラスに。ただし今後は失業率は上昇傾向、企業収益は悪化などから環境は悪化。

 賃金決定要因として物価の割合は低い状態は続くが、これは最近15年間物価が上がっていなかったためと。ただし、今後、「二次的効果」の可能性を頭から排除することはできない。

 物価について国内企業物価を見ると、原油価格の上昇が大きな要因となっているが、鉄鋼や建材関連も同様に大きく上昇しており、ファンダメンタルによる需要が国際商品市況を大きく引き上げているとみられ、原油価格の上昇について投機的なものが要因とは判断しにくい。

 国際商品市況に直接影響受けない企業向けサービス価格については、6月がマイナスとなっており、これは企業収益環境が厳しいことで企業広告費などを節約した影響が大きい。

 消費者物価指数は6月ヘッドラインが1.9%となり、今後2%突破は間違いない。ただし食料およびエネルギー除く総合指数はゼロ近傍となっており、今後もし世界的に景気減速が強まり商品市況も下落するなどした際に、コアCPIもゼロ近傍と元に戻ってしまうリスクもある。

 そして、今後の金融政策に冠する質問がありその答えの中で、日銀が動くことで日本経済が良くなるわけではない。フリーランチはなく国民が汗を流し、どうしたら金利を上げられる状態に出来るのかを考える必要があるとのコメントも。
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by nihonkokusai | 2008-07-28 10:18 | 日銀 | Comments(0)
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