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「金融政策決定会合議事要旨(6月12~13日分)より」


 「何人かの委員は4月の実質輸出の前月比が大きくマイナスとなったことは、為替換算や季節調整など技術的な要因による振れである可能性が高いとの認識を示した。」

 「ある委員は、幅広い地域に向けて増加という基本的な判断を変える必要はないが、さすがにこれまでと比べて増加ペースは鈍ると考えられると述べた。」

 4月の前月比マイナスは特殊要因によるものが大きく、5月の実質輸出は前月比+2.8%と持ち直してきているが、原油価格の上昇により世界経済が減速基調となっていることから、輸出が鈍化傾向にあることも確か。

 「国内民間需要について、委員は、エネルギー・原材料価格高の影響などから、企業収益はこのところ減少しており、設備投資は増勢が鈍化しているとの認識で一致した。」

 「個人消費について、委員は、底堅く推移しており、先行きについても、雇用者所得の緩やかな増加を背景に、底堅く推移する可能性が高いとの認識を共有した。ある委員は、最近の物価上昇が家計の実質購買力を低下させていると指摘した。」

 「住宅投資について、委員は、緩やかに回復しているが、先行きについては、回復の動きが徐々に一巡していくとの見方を共有した。ある委員は、不動産業者への金融機関の融資姿勢の慎重化、マンション在庫の増加などが、住宅投資の回復にどのような影響を与えるか留意が必要であるとの見方を示した。」

 「別の委員は、生産全体が落ち込むことは当面考えにくいが、中小企業においては労働投入量がこのところ減少しており、交易条件悪化の影響をより強く受けている、との見方を示した。」

 景気に対しての認識は総じて弱めとなっているようである。7月15日の白川総裁の会見においても、足許景気がさらに減速しているとの判断を示している。

 「複数の委員は、わが国においては、賃金が目立って上昇しておらず、これまでのところ、石油製品や食料品の価格上昇が2次的な物価上昇に結びつく動きはみられていないと述べた。ある委員は、需要面からの価格上昇圧力は強くなく、現在のところ、値上げのモメンタムは、エネルギーや食料品など比較的限定的な範囲に止まっていると指摘した。」

 「委員は、国際商品市況の高騰が進む中、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動を含め、先行きの物価動向について、より注意深くみていく必要があるとの認識を共有した」

 物価上昇リスクについては、より注意深くみていく必要があるとしているものの、賃金上昇が伴ってないことなどから物価上昇はいまのところ限定的な範囲に止まっているとしている。

 「複数の委員は、需要が旺盛で賃金上昇圧力が強い国と異なり、わが国の現在の局面においては物価面のリスクよりも景気の下振れリスクを重視すべきであると述べた。」

 この複数の委員に果たして白川総裁も含まれているのかどうか。その後の白川総裁の会見の内容などを確認しても、物価面のリスクよりも景気の下振れリスクをより重視しているようにも伺える。

 「複数の委員は、金融政策が効果を発揮するには長いラグを伴うため、中央銀行としては、足もとの物価動向よりもやや長い目でみた基調的な物価動向に注意を払うべきであり、そうした観点から、人々の中長期的な物価観に変化が生じるかが、政策判断を行う際の重要なポイントの一つになる、との認識を示した。」

 物価に関しては、インフレ懸念が強まるのかどうか、ある程度長い目で見ての物価感の動向に注視している姿勢を示している。

 「ある委員は、世界的なインフレ傾向が強まる中で、わが国もそれと無縁であることはなく、インフレ予想が高まることを未然に防ぐ観点から、物価安定のもとでの持続的な成長パスを辿っていることにある程度の確信を得られれば、漸進的かつ早めに政策対応する必要があると述べた。」

 とはいうものの、状況によっては利上げも漸進的かつ早めに行なう必要性を強調している委員が少なくとも一人はいるようである。
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by nihonkokusai | 2008-07-18 10:45 | 日銀 | Comments(0)
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