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「バランサーとしての武藤副総裁」

 2日の日銀武藤副総裁の発言を見て、副総裁のスタンスが変化したとかの見方があったが、それは違うものと思われる。武藤副総裁は極めてニュートラルな立場にいて、なおかつ日銀のスタンスへの思惑がマーケットなどで強まった際には、そのバランスを戻す方向での発言などをしている。今回のブルムバーグでのコメントにしても、米国ハリケーンの影響により米利上げ継続困難といった見方から日銀も量的緩和解除には踏み切れないとの思惑も強まった。そういった思惑を多少なり打消し、裁量が狭められるような状況は未然に防ごうとしたものとも考えられる。反対に6月23日の会見においては、量的緩和解除の可能性は徐々に高まるとの見方にややバイアスがかかりすぎてしまったものを調整してきたものと見られる。

 武藤副総裁の本音がどこにあるのかはつかみづらいが、当面の間はバランサー(調整役)としての立場を維持しもマーケットにややバイアスがかかり過ぎた際などには比重を反対に移すことによって調整を行う立場をつ続けるものと思われる。

 福井総裁が日銀のプロパーであることもあり、また景気に対しても強気の姿勢を示していることでややタカ派的と思われるようなコメントも多くなりがちであり、その意味での調整も行っているものと思われる。

 さらに前事務次官という立場から首相官邸や財務省には太いパイプも持っているものと見られ、政府や財務省との調整役との立場もある。

 そして、福井総裁とはこと以前にもコメントしたように金融政策に関しては一枚岩であることも確かであり、福井総裁が決断したことに対してはそれに反対することなくフォローしてくる立場にもあると思われる。量的緩和解除を行う際には心強い参謀役の立場にもなるのではなかろうか。総裁をフォローするという点については、政策的にやや総裁とは意見を異にすると思われる岩田副総裁も同様であろう。

 それにしても、ここまでバランサーに徹する武藤副総裁というのもある意味すごい人物でもある。時期総裁との声も強いが、日銀内部からの評判も高いとも聞く。しかし、武藤副総裁が、もし日銀総裁になってしまうと、私にとっては日銀のスタンスが非常に読みづらくなってしまことも確かであり、ちょっと困るかもしれない。
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by nihonkokusai | 2005-09-07 17:07 | 日銀 | Comments(0)
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