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「昭和40年不況時に並ぶ日経平均10日続落という記録」


 昨日、東京株式市場では日経平均は10日続落となり、これは1956年の2月19日から3月2日以来の実に43年ぶりの記録となった。40年不況と呼ばれた当時の様子を拙著「日本国債は危なくない」(文春新書)の原稿から振り返ってみたい。

 「昭和38年(1963年)は、東京オリンピックを控えて公共投資が活発化した。夢の超特急といわれた東海道新幹線や首都高速道路、東京モノレール、そして黒四ダムといった大型の公共工事が次々に行われてきたのである。しかし、東京オリンピックが始まった昭和39年(1964年)10月ごろから景気は急速に冷え込みはじめ、後退局面に入った。すでに昭和36年(1961年)ごろから中小企業の倒産が増加しており、株価も下落していた。企業収益も減りつつあったのだが、それが顕在化したのが昭和39年(1964年)の後半であった。昭和40年(1965年)に入ると、サンウエーブや山陽特殊製鋼など大手企業の破綻が相次いだ。株価も急落し続け、信用不安も広がりをみせていた。信用不安に対しては、山一證券への日銀法25条にもとづく無担保・無制限の特別融資(日銀特融)が実行されたことでなんとか収まったのだが、株価の下落はさらに続いた。これが「40年不況」と呼ばれ、金融緩和も効果がなく、財政面からの公共事業が促進されることになり、戦後初めてとなる「国債発行」が準備されることとなったのである。」「日本国債は危なくない」(文春新書)の原稿より

 40年不況と現在の状況を較べると、現在は景気の減速懸念は強まっているものの当時のような不況下にあるわけではない。当時と現在を直接比較することはあまり意味のないことかもしれないが、10日も続落していた背景は意識しておく必要があるかもしれない。原油先物価格の上昇などを背景にした物価上昇懸念、米金融不安の拡大、そして米経済の減速がじわりじわりと世界経済に影響を及ぼしている状況。日銀も物価上昇も気になるものの、景気の下振れリスクもかなり意識しているともみられ、今後の日本経済の動向にもより注意が必要となりそうである。
by nihonkokusai | 2008-07-03 10:42 | 投資
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