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「日銀の物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議内容」


 6月18日発表された議事要旨によると5月19、20日金融政策決定会合では、物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議が行なわれたようである。少し古い資料となるが2001年10月に日銀が発表した「物価の安定を巡る論点整理」(http://www.boj.or.jp/type /release/zuiji/kako02/data/spri03e.pdf)と比較しても面白いかもしれない。ちなみにこの「物価の安定を巡る論点整理」を著したのは白川方明企画室審議役(当時)と門間一夫企画室政策調査課長(当時)となっている。もちろん現在の白川日銀総裁と門間調査統計局長である。

 「ある委員は、一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが、現在は、持続的で複合的なショックが生じているため、政策対応は難しくなっていると述べた。」 「物価の安定を巡る論点整理」では「一時的か持続的かの分類が難しいのは、原油価格や為替相場、さらにそれらに大きく左右されやすい輸入物価、輸入関連品価格、などの変動である。」としているが、これが持続的な性格の強い供給要因ならば「物価の基調判断、ひいては金融政策にとって、重要な意味を持つ物価変動要因である」としている。

 議事要旨では、ある委員の発言として「一次産品価格の上昇は、相対価格の変化をもたらし、資源配分の調整を促すが、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動次第では、一般物価水準の大きな変動につながるリスクもあるので、これらの動向に注意しながら、金融政策運営を行う必要があると述べた。」 6月13日の金融政策決定会合後の会見で白川総裁は「わが国経済の状況は、実体経済面では、交易条件の悪化に伴う所得形成の弱まりが国内民需の下振れをもたらすリスク、物価面では、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動を含め、先行きの上振れリスクについて、注意深くみていく必要があると考えています。」と発言し、景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえて金融政策を運営する姿勢を示している。

 いまのところ軸足をどちらかに移すといったことは考えづらく、日銀の金融政策は当面、現状維持となるとみられるが、物価の動向に対して今後も日銀は注視する姿勢を強めてくるものと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-06-24 09:20 | 日銀 | Comments(0)
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