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「原材料をはじめとするコスト高の問題についての解説」


 「原材料をはじめとするコスト高の問題」について白川教授、ではなく白川日銀総裁は会見で噛み砕いた説明を行なっていた。

 「エネルギー価格が上がっていく場合、日本のような消費国からみると、外から入ってくるモノの値段が上がるという意味で供給ショックと映るわけですが、他方で、この価格上昇の背後には世界経済全体の需要増加があるわけです。そういう意味では、需要ショックという性格も持っています。経済の影響を考えていく時には、物価上昇がどのような性格のものなのかを考えていく必要があると思います。」

 「日本からみた場合、交易条件が低下する、悪化するという点で日本全体の所得形成の力が弱くなっていくわけです。従って、設備投資や消費に悪影響を与えていくものであります。これは明らかにマイナス要因ですが、交易条件が日本で悪化している、すなわち消費国で悪化しているということは、産油国を中心に交易条件が改善しているということですから、その地域への輸出が増加するという性格を持つものであります。現在日本は、内需は弱くなっていますが、輸出は非常に堅調を続けているわけです。これは、交易条件の悪化と改善の裏腹で起きている現象とも言えるのです。」

 「そうしますと、経済全体の需要はマイナスとプラスの力のどちらが勝るのかという観点で考えていく必要があると思います。また、仮にマイナスの力が勝るのであれば、経済全体の需要が弱くなるわけですから、物価が下がるという力が働きます。他方で、物価が原材料を中心に上昇し、仮にインフレ期待に火が付けば、これは2次的3次的な物価上昇を引き起こすことになるわけです。このように、物価の面でも下がる要素と上がる要素の両方が存在します。」

 「以上の通り、景気についても物価についても必ずプラス・マイナス両方の要素があるため、一義的に答えを出すのは難しいと思います。世界経済全体への影響とのご質問ですが、各国は、世界の各地域における今申し上げたような要素を勘案しながら、金融政策を運営しているわけです。最終的にどのような金融政策をとるかによって、その国の景気・物価の姿は変わってきますが、先程説明したような整理をしつつ、各国は、自国の状況に応じて金融政策を運営しており、日本も同様に政策を運営していくということだと思います。」

 学生向けのような非常にわかりやすい説明となっている。1-3月期GDPも外需が堅調となっていたが、これは交易条件の悪化と改善の裏腹で起きている現象と捉えられよう。景気についても物価についても必ずプラス・マイナス両方の要素があるという指摘も、特に現在の世界経済を取り巻く環境下にあって先行きの予測を難しくさせている要因ともなり、白川総裁も自国の状況に応じて金融政策についての具体的な方向性は示していない。米国ではFOMC の議事要旨でも「成長とインフレのリスクは一段と均衡」として、利下げを休止し当面は現状の金融政策を維持させてくる可能性が強まった。日米とも原油高などを受けたインフレへの警戒も強めているものの、利上げまで意識した対応も当面はとりづらい状況にありそうである。
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by nihonkokusai | 2008-05-22 09:48 | 日銀 | Comments(0)
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