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「中央銀行の独立性と銀行の銀行」


 日銀の白川総裁は5月12日の日本記者クラブにおける講演において、金融政策を運営する中央銀行の組織や行動という観点から「中央銀行の独立性」と「銀行の銀行」について発言している。

 「中央銀行の独立性、すなわち、中央銀行が金融政策の運営に責任を有するという仕組みを支える最終的な拠り所」について白川総裁は「中央銀行は時として、短期的には不人気な政策を行う必要があるということも同時に意味しています。そうした政策を実行する上で中央銀行としての最大の拠り所は、しっかりとした調査・分析に裏付けられた的確な分析力であり判断力であると思います。」としている。

 中央銀行の独立性を維持するために必要なことは、「金融政策運営に当たっての判断の根拠を分かりやすく説明すること、すなわち、透明性を確保すること」が不可欠であり、これは市場との対話に対しても必要なものとなる。

 そして「金融政策の独立性を支える拠り所は、結局のところ、的確な分析とそれに裏付けられた金融政策の積み重ねであり、そうした金融政策の判断に係る透明性であると思います」と白川総裁は発言している。的確な金融政策の積み重ねにより、日銀への信認も積み重ねられるものと思われる。

 そして、白川総裁は「中央銀行のバンキング業務の重要性」についても言及している。その一例として昨年夏以来の国際金融市場の動揺に対しての各国中央銀行の流動性供給ないし流動性供給の仲介といった対応を挙げている。昨年夏以降の金融市場を見ても市場機能が不安定しても決済システムの面では混乱は生じていない。これには「中央銀行の長年の決済システム面での努力」を指摘、「2002年には円とドル、ユーロとドルというように、ペアとなる通貨を同時に決済する仕組みが導入され」これが奏功したかたちとなった。「地震やテロ、コンピュータ・ダウンをはじめ、様々な危機や混乱に対する備えも中央銀行の重要な仕事」であり、特に決済システムを維持することは中央銀行にとりたいへん重要な役割である。

 金融政策に対する関心が高まっているが、それとともに「銀行の銀行としての中央銀行の側面への関心がもっと高まっていくことを願っています。」と白川総裁は発言している。

 日本の中央銀行である日銀に対して一般の関心はまだまだ薄い。しかし、金融市場のみならず日々の巨額の資金のやり取りがスムーズに行なわれているのもその根幹のシステムには日銀の機能が大きく関わっている。こういった日銀の機能についてもう少しスポットライトが当たっても良いのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2008-05-12 16:59 | 日銀 | Comments(0)
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