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「米国の今回の金融不安と日本の金融システム不安」


 3月11日に各国の短期金融市場で資金供給を拡大するとの緊急声明を発表した。FRBは最大2000億ドルの資金を市場に供給するとしたが、この方式が通常の公開市場操作とは異なる新たな手法を取り入れた。

 また17日には公定歩合の引き下げそれとともに、プライマリー・ディーラーに対し、NY連銀で公定歩合で資金を借りられる新制度を創設した。これは、JP モルガン・チェースがベア・スターンズ買収へとの報道にあわせる格好の発表でもあり、なんとしても金融不安を払拭しようとのFRB の動きでもあるが、それだけ問題が深刻化とも受け取るものともなった。次ぎはどこかといった不安が広まるなど、これは1997年11月の日本の金融システム不安が広まった当時の様相にも似ているように思われる。当時を振り返ってみたい。

 1997年11月に入り、金融システム不安が一気に表面化した。3日に三洋証券が会社更正法適用を申請、17日には拓銀が経営破綻し北洋銀行への営業譲渡を発表した。24日には証券大手の山一證券が自主廃業を届け出、26日には徳陽シティ銀行が分割譲渡と4つの金融機関が相次いで破綻したのである。これは企業や金融機関のバランスシート調整が想像以上に遅れていたことが要因とみられた。

 三洋証券の破綻の際に、コール市場での小規模なデフォルト(債務不履行:元本の償還や利子の支払いが契約通りに行われないこと)が発生した。金融機関同士で取引しているコール市場という信用の上で成立している金融市場の中で、戦後初のデフォルトが起き、これが他の金融機関破綻の引き金となった。信用リスクと流動性リスクの増大により、金融システム不安が一気に高まったのである。

 これに対して、政府は12月に入り、金融システム安定化策として30兆円もの財政資金を用意した。17兆円は預金者保護、残りの13兆円は銀行の自己資本強化に用いられることになった。財源としては、新型国債といわれた交付国債10兆円と政府保証枠20兆円の計30兆円で賄われることも決まった。また、景気対策として特例国債(赤字国債)を発行し、2兆円の所得税減税を実施することも決めた。

 交付国債とはもともと第2次大戦の戦没者の遺族などを支援するため、現金の代わりに支給した国債のことである。金融システム安定化のために準備したこの交付国債は、極めて異例であった。

 結局、良し悪しはさておきこの公的資金の導入によって金融システム不安が沈静化したのも確かであった。米国でも同様の施策が講じられる可能性も指摘されているようだが今後の動向にも注目したい。
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by nihonkokusai | 2008-03-18 09:06 | 債券市場 | Comments(0)
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