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「物価の上昇に注意」


 1月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+0.8%となりました。前年同月比での上昇は4か月連続となります。

 消費者物価指数とは、世帯の消費生活に及ぼす物価の変動を測定するもので,家計の消費支出を対象としています。

 消費者物価指数の中で、最も注目されているのが全国消費者物価指数の「生鮮食品を除く総合指数」(コア指数)と呼ばれるものです。日銀の展望レポートの予想値や事前にエコノミストなどが予想している数字も全国消費者物価指数の「生鮮食品を除く総合指数」の前年同月比の数字です。天候による豊作や不作などの影響で価格変動の大きい生鮮食品を除くことで、物価の動向が捉え易いため、この数字が重視されているのです。

 全国消費者物価指数(生鮮除く)のこの一年間の推移を見てみますと、2007年3月は前年同月比-0.3%、その後、4月から9月まで同 -0.1%が続いていました。しかし、10月に同+0.1%と前年比プラスとなってからは、11月に同+0.4%、12月は同+0.8%、そして2008 年1月も同+0.8%とここにきてプラス幅が拡大してきています。

 1月の指数を押し上げたのは、ガソリンや灯油、さらに電気代と都市ガス代、プロパンガスを合わせたエネルギー価格の上昇が大きく影響しています。

 ニューヨーク市場での原油先物価格が1バレル100ドルを突破して過去最高値を更新してきていますが、これは投機的に資金が流入しているといった指摘もありますが、その根本的な背景には、中国やインドなど新興国の急速な経済成長があります。まさにこういった新興国が石油をがぶ飲みし、こういう需要が原油価格や貴金属などの価格を押し上げているのも事実です。この傾向は当面続くものとみられています。

 また、私達の身の回りの食料品などの値上がりも浸透しつつあり、そのため個別品目では小麦を原料とするスパゲティ、食パン、即席めんなどの価格上昇や菓子類などの価格上昇も消費者物価の押し上げ要因となっています。こうした生鮮食品を除く食料による物価押し上げが、1月には0.2%分ありました。 4月から農水省は輸入小麦の値上げも発表しています。このため今後も生鮮食品を除く食料による物価押し上げといったものは継続するものとみられます。

 ただし、総務省が発表している、食料エネルギーを除く消費者物価指数(通称、コアコア指数)は前年同月比0.1%の下落となっており、こういった原材料や資源高の影響を除いた物価のマイナス基調は変わっていません。このため、大田経済財政担当大臣も「デフレ脱却に向けて足踏みが続いている」として、デフレ脱却といった認識にはなっていないようです。

 物価の上昇は欧米諸国ではかなりの懸念材料となっていますが、米国のサブプライム問題に端を発した米国経済の減速懸念が強く、米国の中央銀行であるFRBは物価上昇よりも景気回復を優先させるため利下げを行なっています。ただ、この利下げがいずれ物価上昇を加速させる恐れもあることで要注意です。

 日本の物価も生産者物価指数で見ると実は欧米並みに上昇しています。ところが長らくデフレが続いていたことで、企業はなかなか値上げに踏み切れず企業努力によって価格転嫁を抑えていました。しかし、それにもさすがに限度があり、今後もいろいろなものの値上げが続くものとみられ、これも消費者物価指数の押し上げ要因となります。

 日本ではまだインフレ警戒といったものは出ていませんが、今後の消費者物価指数の動向には注意を払う必要がありそうです。
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by nihonkokusai | 2008-03-06 13:35 | 景気物価動向 | Comments(0)
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