牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「日銀総裁人事」


新日銀法第23条に「総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。」とある。2003年の前回総裁人事の際は、与党が衆参両院で多数を占めていたことで、総裁人事はすんなりと両議院での同意を得られた。しかし、現在、衆院は与党が過半数を占めているものの、参院は野党が過半数を占める「ねじれ」状態となっている。しかも一般の法案のように両院での議決が異なった際には衆院での再議決手続きがない。このため衆院で賛成されても参院で反対されれば、内閣つまり政府が任命することはできない。そうなった際には日銀総裁が不在となる空白の期間が発生する恐れがあった。

 民主党では財政と金融の分離を主張する向きが存在しており、一部の民主党議員は元財務時間でもある武藤氏の総裁就任に反対している。しかし、サブプライム問題やモノライン問題で揺れ動いている金融市場を背景に、総裁不在といった期間ができれば日本の金融市場への海外の信認が揺るぐ可能性もある。民主党も「日銀総裁が空席になるのは望まない」(日経)とみられ、武藤氏に対抗しうる総裁候補も見当たらないこともあり、民主党は武藤氏を推す政府案を受け容れる見通しのようである。

 日経新聞によると今後の日銀総裁人事の国会承認で想定される手続きとして、まず政府から日銀総裁・副総裁2人の人事案が、議院運営委員会両院合同代表者会議に事前提示される。その後、衆参両院の議院運営委員理事会に正式提示される。衆参両院の議院運営委員会で総裁候補者らからそれぞれ所信を聴取したあと、衆参両院の本会議で採決される。その結果、両院ともに可決となれば新総裁と2人の副総裁が就任となる。

 武藤副総裁の総裁への昇格がほぼ確実視されているが、2人の副総裁人事も注目される。副総裁については日銀元理事の白川方明京大教授と、学識経験者から元日銀審議委員である田谷禎三立教大教授の起用が有力視されているとの報道もあった。副総裁のうち一人は日銀出身、もう一人は民間からの起用となる可能性も高いとみられていたことで、白川氏と田谷氏の起用の可能性は十分にありそうである。

 今回の日銀総裁人事を巡る一連の手続きの形式が次回以降も継続されるのかどうかは、衆参両院の状況次第ではある。しかし、今回の一巡の流れといったものが今後の総裁人事の参考にされていくものとも見られ、今回の総裁人事の今後の動向についても注意深く見守る必要もありそうである。
[PR]
by nihonkokusai | 2008-02-20 09:55 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー