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「7か国財務大臣および中央銀行総裁会議」


 2月9日に東京の三田共用会議所において7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催された。G7とは、Group of Sevenのことで日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの主要7か国の財務大臣および中央銀行総裁が集まる会議であり年に数回開催され、国際的な金融問題などを中心とした世界経済の主要課題について討議する。

 財務省は今回のG7にあたり、専用のホームページ(http://www.g7-2008.mof.go.jp/)を開設しており、「7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明のポイント」をアップしている。

 「昨年10月の会合に比べ、世界はよりチャレンジングで不確実な環境に直面しているが、世界経済全体のファンダメンタルズは引き続き堅固である。米国では、生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いているが、長期的なファンダメンタルズは健全であり、2008年も成長が続くと見込んでいる。」

 この中で「チャレンジングで不確実な環境」「米国では、生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いている」としながらも、先行きの景気見通しについては比較的楽観的な内容ともなっている。

 「我々はそれぞれ、国内の状況に応じて、流動性供給、金融政策及び財政政策の分野で、適切な行動をとってきた。我々は、必要な改革を通じて成長力を高めるための努力を強化することに引き続きコミット。今後とも、我々は引き続き経済動向を注視し、経済の安定と成長を確保するため、個別にあるいは共同して、適切な行動をとっていく。」

 さらに米国のサブプライム問題、モノライン問題などによる金融市場の混乱、さらに米国経済の減速懸念などに対しての各国の行動については、「国内の状況に応じて」、「個別にあるいは共同して」適切な行動をとっていくとしており、G7一体となって対処していくのではなく、個別の対応が重視されているように思われる。

 「我々は、金融の安定性を強化し、金融混乱の影響を限定するとともに、金融混乱に寄与した要因に対処するため、共に努力することに深くコミット。中央銀行による協調された流動性供給は、短期金融市場における一時的緊張の緩和に貢献。」

 ただし、中央銀行による「協調された流動性供給」については「一時的緊張の緩和に貢献」ともしているが、あくまで「一時的」なものであり、今回の声明文においては具体的な協調しての行動は明記されていない。

 ポールソン米財務長官は会見において「他の国に財政出動計画の策定は要請していない」と発言(ロイター)するなど、今回のサブプライム問題に端を発しての各国の行動については、額賀財務相が「金融不安・経済対策は、それぞれの事情にあった対策を打ち出すことが重要」と述べ、また福井俊彦日銀総裁も「マクロ経済運営は、各国が問題を共有しながらそれぞれ適切に対応する」と述べているように各国の対応に任せられている格好ともなっている。

 今回のような世界的な金融市場の混乱については「協調」さを「強調」して、市場への影響を与えようといった行動はG7では取らなくなったのも、G7だけでは対応しきれないという側面もあるが、それだけ金融市場も洗練されてきたことの現れなのかもしれない。金融緩和といった手段だけでは限界があることは市場も認識している。さらに日米欧とも中央銀行が政府からやや距離を置くようになっており、協調利下げといった「政策協調」は今後実施される可能性はかなり低いと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-02-12 09:59 | 国際情勢 | Comments(0)
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