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「政策協調の可能性は少ない」

 
 2月9日に東京で7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催されます。サブプライム問題や、モノラインの問題による金融市場の混乱に対して、「政策協調」を行なうのではないかとの期待が一部にある。しかし、現在の欧米や日本の中央銀行は1985年のプラザ合意のころとは大きく様変わりおり、「協調利下げ」の可能性は極めて低いものと言わざるを得ない。

 1985年のプラザ合意当事の各国中央銀行は、現在のように政府からの「独立性」は限定的となっており、政府主導で協調介入をはじめとする「協調政策」が進められていた。

 しかし、その後時代は流れ、欧米諸国でも中央銀行の独立性が重要視されるようになっていった。1997年に財務省に就任したブラウン氏は就任わずか4日目に金融政策の大転換を行い、財務省から中央銀行であるイングランド銀行に金融政策の決定権を移し、独立性を高めるという大胆な改革に踏み切った。イングランド銀行の独立性を強化させた背景には、1999年の通貨統合を控えた欧州各国の中央銀行が、ドイツを見習って次々と独立性を強化させていたことも要因であった。

 そのECBは政府からの独立性をすでに強めていたドイツ連銀の流れを汲んでいることに加え、複数国を跨いでの中銀という特殊性からも独立性は当初から必要なものであったのである。

 また、グリーンスパン前FRB議長の著書「波乱の時代」の内容などから、米国ではFRBの独立性を高める上でルービン元財務長官の働きが大きかったといわれる。

 日本でも1998年の日銀法の改正により、日銀の独立性と透明性の向上がはかられたのである。

 このように現在の欧米と日本の中央銀行は、プラザ合意当時に較べて独立性が強化され、政府主導の政策協調に金融政策が絡んでくることは考えづらい。2007年のサブプライム問題にあたっての流動性強化策についても、FRB、ECBがそれぞれの判断で実施している。

 世界的な問題に対しては、先進国が「協調」して政策を行なうのではなく、それぞれの国内事情を意識しながら、情報連絡を中銀同士が密に取り合い、それぞれの判断で政策を行なうというのが、現在の姿とみられ、特に協調利下げといったものの可能性はかなり低いものと言わざるを得ないのである。
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by nihonkokusai | 2008-02-05 10:09 | 日銀 | Comments(0)
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