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「長期金利は相場で動く」


 金利は1.395%をつけ、量的緩和解除前の水準にまで低下したのです。少なくとも相場には決まった方程式はないということを認識しておく必要があります。相場は人間の欲望や期待といったものが価格に反映されている側面もあり、またファンダメンタルだけではなく需給要因などを含めて、いろいろな変動要因が複雑に絡み合っているため、先行きを見通すことは天気予報以上に難しいのです。

 相場にはいくつかの面白い格言があります。「もうはまだなり、まだはもうなり」という格言は、もうここまで債券相場の動きによって長期金利が変動することで、長期金利の動きは債券相場そのものの動きとなります。

 相場の世界では随所にトレードオフの関係が存在します。つまり状況に応じて上がるものもあれば下がるものもあるのです。しかし、これも機械的に動くというものではなく、場合によっては同時に上がったり、下がったりすることもあるので余計にやっかいです。

 これは株式相場と債券相場の関係などにも当てはまります。株が上がれば債券は下がるといったことが必ず起きるわけではないのです。

 さらに日銀が利上げをしたからといって、長期金利が必ず上がるという方程式もありません。現実に2006年2月に日銀が量的緩和を解除し、 7月に政策金利を0.25%引き上げてゼロ金利政策を解除し、2007年2月には政策金利を0.5%にまで引き上げていましたが、2007年11月に長期上がれば下がるであろうと思ってみても相場は上がり続け、皆が皆、相場はまだまだ上がると思い込んだときが天井といったことを表した格言です。

 これを聞いて、日本のバブル時の株式相場を思い起こす方もいるでしょうし、1ドル79円75銭まで進んだ1995年の円高進行などもそうでした。債券相場では2003年に長期金利が一時0.5%を割り込んだこともありました。当時の短期金利がゼロ近辺とはいえ、10年の金利が0.5%以下というのはいかにも異常でした。しかし、相場はある程度、行き着くところまで行かないと止まらないといったこともままあるのです。

 日本では戦後の経済成長を促すために、間接金融という方式のもと銀行が企業に資金を融資し、その銀行は私たちから預金というかたちで資金を融通してきました。企業の貸し倒れリスクは銀行が負うかたちではありましたが、その背景には大蔵省の護送船団方式に代表される国の保護といったものがありました。このため、公定歩合という日銀の政策金利から国債の金利に至るまで、日本の金利は統制されていました。

 こういった時代が長かったことで、日本では債券市場そのものはほとんど機能していませんでした。しかし、国債の発行額の増加により、銀行が引き受けていた国債の売却を行なわざるを得なくなり、いわゆる銀行のフルディーリングが認可され、東証ではヘッジ手段として債券先物が上場されるなどしたことから、1980年代後半あたりから日本の債券市場は拡大し、それによって長期金利は市場で形成されるという本来の姿に変わってきたのです。

 このように長期金利と呼ばれる金利は、日銀や財務省が決めるものではなく、市場参加者が債券を売買する過程で市場で決定されるものなのです。
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by nihonkokusai | 2008-01-09 10:46 | 債券市場 | Comments(0)
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