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「日銀金融政策議事要旨発表(11月12~13日分)より」

 「住宅投資については、改正建築基準法施行の影響から大きく減少しているとの認識で一致した。複数の委員は、この影響から、建設財の在庫率上昇や価格下落がみられ、建設関連の中小企業を中心に影響が表れてきていると指摘した。先行きについて、何人かの委員は、不動産業界の一部には、住宅需要が頭打ちになっているとの声があるとした上で、改正法施行の影響が剥落した後の住宅投資の動向をよくみていく必要があると述べた。複数の委員は、住宅投資の減少が長期化した場合には、マインド面も含め、マクロ的に影響が拡がりうる点には注意が必要だと付け加えた。」

 住宅市場の落ち込みは改正建築基準法施行の影響が大きなことは確かである。都心のマンション販売が落ち込んでいるのは価格高騰の影響もある。ただここで何人かの委員から指摘があったように「不動産業界の一部には、住宅需要が頭打ちになっているとの声がある」という部分には注意したい。場合によると住宅投資の減少が長期化するリスクといったものを考慮しておく必要がある。

 「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、目先、ゼロ%近傍で推移するとみられるが、より長い目でみると、資源の稼働状況が高まっていることから、プラス基調を続けていくと予想されるとの認識を共有した。複数の委員は、企業がコストを販売価格に容易に転嫁できない状況が続いているが、企業によるコスト高の吸収余力は限界に近づいており、一部では原材料高の最終価格への転嫁がみられると指摘した。別の委員は身の回り品の値上げが増えていることから、消費者の物価観にも変化がうかがわれるとコメントした。

 この最後の別の委員とは、唯一の女性である須田委員の発言であろうか。今回の一連の価格転嫁の動きは食料品などが先んじており、男性よりも女性の方が敏感になっているとの指摘もある。

 「先行きについて、何人かの委員は、10 月以降、石油製品のプラス寄与が徐々に拡大するとみられ、原油価格次第では、年末にかけて前年比が小幅のプラスに転じるとみられるとの見方を示した。」

 そのプラス幅は意外に大きくなるといった見方も出てきている点にも注意したい。

 「原油価格をはじめとする国際商品市況が高騰していることを、物価判断においてどう捉えるかについて議論が行われた。まず原油価格上昇の背景について、ある委員は、新興国を中心とする世界経済の拡大という需要側の要因が基本にあるとの認識を示した。こうしたもとで、もう一人の委員は、原油価格を除外して物価情勢の判断はできないというのは、欧州や米国でも一致した見方になっているとコメントした。この間、別の委員は、原油価格上昇は需要要因だけでは説明できず、地政学的なリスクなどの供給側の要因や、特に最近は短期的な投機資金の流入も影響していると指摘した。その上で、複数の委員が、原油価格が今後下落に転じた場合などには、消費者物価に一時的な振れが生じうるので、その点も考慮して、物価の基調を判断し、対外的に説明していくことが大切であると述べた。」

 「こうした議論を踏まえて、委員は、原油価格の上昇には需給両面の要因が働いており、単純に除外して考えることはできないが、相場の振れが大きく、それが物価の短期的な動きに影響していることも意識しながら、物価の基調を正確に捉えていくことが重要である、との認識で一致した。」

 さて、興味深いのはこのあとの記述である。少なくとも2人の委員がかなり議論を展開し、一人がその仲裁に入った感もある。インフレはコストプッシュ型とディマンドプル型があるというのが通説ではあるものの、それを明確に区別するのも難しい。それはさておき、議事要旨でもこれだけの記述ということは、現場ではかなり白熱した議論が戦わされていた可能性がありそうである。

 「何人かの委員は、基調を判断する上で、様々な物価指標を幅広く点検していくことの重要性を指摘した。この点に関連して、ある委員は、日本の場合、エネルギーのほとんどを輸入しているので、その価格高騰による物価上昇は輸入されたインフレであり、国内の需要に基づく物価上昇圧力は強くないと指摘した。これに対して一人の委員は、外生的なインフレであっても、人々のインフレ期待を高める可能性があると述べた。別の委員は、こうした議論について、外生的な物価上昇がインフレ期待に結びつくかどうかは内需の強さにも依存するので、両者は同じ問題の違った側面を述べているのではないかとコメントした。」
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by nihonkokusai | 2007-12-26 10:23 | 日銀 | Comments(0)
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