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「トランスクリプト」


拙著
「短期金融市場の基本とカラクリがよ~くわかる本」
の、第4章の「金融政策における透明性」の中で次のような記述をした。

 「米国のFOMCでは会合終了後に声明文が公表されます。この声明文には、基本的な見解、政策決定内容、それに関する各FOMCメンバーの政策決定にかかる賛否といったものが記されています。市場関係者もその声明文を事細かに分析しています。FOMCの議事要旨は会合の約3週間後に、議事録は5年後に公表されることとなっています。」

 ところが、3週間後に発表されるFOMCの内容を記述したものは「Minutes(議事録)」となっている。しかし、内容は具体的な発言者の名前などは伏せられており、日銀の「議事要旨」と同様のものとなっている。

 日銀は「議事録」を10年後に公表することになっているが、FOMCの5年後に発表されるものはなんと表現すべきか悩んだ部分である。「明細な議事録」といった表現もあったが、拙著では日銀にあわせる形で、FOMCの3週間後に発表されるものを「議事要旨」、5年後に発表されるものを「議事録」とした。

 ところが、これについてはグリーンスパン前FRB議長の著書「波乱の時代」(上巻P219)にそれが発表されることになった経緯を含めて具体的な記述がある。1993年のゴンザレス下院銀行委員会委員長(当時)の執拗なFRB批判により、FOMCの議事録作成のための未編集の「トランスクリプト」が存在したことが明らかとなったのである。これらをきっかけにグリーンスパン議長(当時)も含め、FOMC情報開示の動きが強まり、その結果、「FOMCは会合の直後に金融政策に関する決定を発表し、3週間後に議事録を発表し、『トランスクリプト』は5年後に公表することにした」とある。

 つまり、FOMCに関しては3週間後に発表されるものは直訳どおりに「議事録」とし、5年後に発表されるものは「トランスクリプト」というのがどうやら正確な表現となりそうである。

 「短期金融市場の基本とカラクリがよ~くわかる本」を購入いただいた方々には、この部分については上記の認識で読んでいただければ幸いである。
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by nihonkokusai | 2007-12-19 13:34 | 日銀 | Comments(0)
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