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「米欧五中央銀行による金融市場の安定化に向けた緊急の資金供給策」

12日、FRBやECBなど米欧の五中央銀行が、金融市場の安定化に向けた緊急の資金供給策を発表した。

 11日の米FOMCでは政策金利、公定歩合ともに0.25%の引き下げられたが、市場では年末に向けての短期資金の逼迫感も強く、そのために公定歩合の 0.5%の引き下げといった期待もあった。しかし、その公定歩合による借入は、8月のFRBによる公定歩合の引き下げがあったにも関わらずあまり活用されていなかった。

 これは公定歩合の借り入れは、市場で資金調達できないような銀行が行うといった認識も強かったことも要因とみられた。このため、FRBは FOMCでの公定歩合の大幅な引き下げは行わず、その代わりに新たな資金供給方式を導入した。これは公定歩合と同じ担保が使用でき、公定歩合での借り入れが可能な金融機関が参加できるというもので、この新しい方式の期間物資金供給(TAF)は年内に2回実施され、初回は200億ドルの予定と発表された。

 さらに、FRBはECBと200億ドル、スイス銀行と40億ドルのスワップ協定も結ぶ。これをもとにECBは年内2回17日と20日に、スイス銀行は年内1回17日にの特別市場公開操作を実施する。また、イングランド銀行も資金供給の際の担保の範囲を拡充し、カナダ中銀も資金供給の拡大に踏み切る。

 この越年資金供給と通貨スワップの合わせ技は、コンピューターの2000年問題への対応と、同時テロ時の対応を同時に実施するといった異例の措置ともなる。

 日銀は今回の措置には直接加わらず、スウェーデンのリクスバンクなどと同様に情報共有などの面で緊密に連携すると、12日の深夜に日銀の稲葉理事が緊急の記者会見で発表した。

 しかし、この発表がもしFOMC後の声明文の発表と同時に行っていれば、11日の米国株の急落といったものも避けられた可能性もあった。今回の対策の肝といえるものが、欧州銀行との連携でもあり、FEDの新たな資金供給策も含め、その対応策の詰めなどに時間もかかった可能性もあり、今回の発表までにラグも生じてしまい、その分やや市場は混乱してしまった可能性もある。
by nihonkokusai | 2007-12-13 10:33 | 日銀
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