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「11日の米FOMCで政策金利、公定歩合ともに0.25%の引き下げ」


 米連邦準備理事会(FRB)は11日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標を0.25%引き下げ、年 4.25%とすることを9対1の賛成多数で決定し即日実施した。政策金利の引き下げは9月18日のFOMCから3回連続となる。今回反対したのは、 0.5%の引き下げを主張したローゼングレン・ボストン地区連銀総裁。コンセンサスを重視しているはずのFOMCで今回も全員一致が崩れたことは興味深い。金融機関向けの貸出金利である公定歩合も0.25%の引き下げを決定し、年4.75%とした。

FOMC終了後の声明文は、次のとおり。

 Incoming information suggests that economic growth is slowing, reflecting the intensification of the housing correction and some softening in business and consumer spending. Moreover, strains in financial markets have increased in recent weeks. Today’s action, combined with the policy actions taken earlier, should help promote moderate growth over time.

 「ここにきての経済データは、住宅市場低迷の深刻化、企業活動や個人消費の鈍化を反映した経済成長の減速を示唆している。その上、この数週間で金融市場での緊張も高まってきている。本日の決定は、これまでの政策と合わせて、今後も緩やかに経済が成長することを促進させるであろう」

 Readings on core inflation have improved modestly this year, but elevated energy and commodity prices, among other factors, may put upward pressure on inflation. In this context, the Committee judges that some inflation risks remain, and it will continue to monitor inflation developments carefully.

 「今年に入りコアインフレの数値は緩やかな改善を示している、しかし、最近のエネルギーや商品価格の上昇、他の要因によってインフレ圧力が強まる可能性がある。このような状況において、委員会では一部にインフレリスクが残っていると判断し、注意深くインフレの進展を見守っていく」

 Recent developments, including the deterioration in financial market conditions, have increased the uncertainty surrounding the outlook for economic growth and inflation. The Committee will continue to assess the effects of financial and other developments on economic prospects and will act as needed to foster price stability and sustainable economic growth.

 「ここにきて、金融市場の混乱を含む最近の状況の中において、経済成長やインフレの見通しに対しての不透明感が高まっている。委員会は、金融への影響や他の動向が経済面に与える影響を引き続き注視し、物価安定と安定的な経済成長を促進するために必要に応じた行動をとっていく。」

 今回の声明文は、前回の声明に見られた「インフレ上振れリスクと景気下振れリスクがおよそ均衡すると判断」といったリスクバランスに関する表現が削除され、先行き不透明感が強調される内容となった。

 上記の結果を受けて、11日の米国株式市場は前日比294.26ドル安の13432.77ドルとなるなど大幅反落となった。これは、市場では政策金利の0.5%の引き下げの期待もあったことや、それ以上に年末を控えての金融機関の資金繰り対策ともなる公定歩合の0.5%の引き下げを期待していた向きも多かったための影響とも指摘された。また、声明文で「強く」今後の利下げを示唆しなかったことが失望売りに繋がったとの見方もある。いずれにせよ、金融政策への期待感がやや高まりすぎていた反動とも言えるのかもしれない。

 個人的には今回政策変更は妥当なものであったと思われる。金融政策そのものはマインドや期待に働きかけるものでもあり、市場の過剰な期待にかならずしも沿う必要はない。また前回のFOMCから金融不安等が大きく高まるといった状況にあったわけでもなく、むしろ株価の上昇などを見ても混乱はやや収まりつつあった。とはいえ声明文からも先行きについてFRBは警戒心を解いていないことも伺える。今回の米国株式市場の急落は、「期待で買って結果で売る」といった相場の格言に近い動きであったようにも思われる。
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by nihonkokusai | 2007-12-12 09:54 | Comments(0)
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