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「サブプライム問題再燃」


 10月11日の福井総裁会見の中で、総裁は「米欧の金融市場ではいくつか改善の動きがみられていますが、全体としては、なお不安定な状態が続いています。」とし、「CDOやCLOなどは、サブプライムに関係の無いものも含めてスプレッドが高止まっており、取引も停滞」している点を指摘。「(米国の)短期金融市場では銀行間のレートはまだ高止まった状態が続いており、正常な状態に戻ったとは言えない状況」を説明していた。その上で、「これらの市場の動き・変化が実体経済そのものに最終的にどのような影響を及ぼすか、といった点が最も重要な注目点」であることを指摘している。

 そして、米シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなど複数の大手金融機関が、サブプライムローン問題に対応するため、共同で750億~1000億ドル規模というLTCMの危機の際の20倍強の支援ファンド設立を検討しているとも報じられた。協議は米財務省の主導で行われているようで、奉加帳が回ったのではないかともみられる。積極的に金融不安を回避しようとの姿勢とも取られるが、その反面、サブプライム問題による影響がまだ根強く残っていることも認識させるものとなった。

 また、野村ホールディングスは15日、米サブプライム問題で1456億円の損失を計上すると発表し、米国での住宅ローンの証券化事業から完全に撤退することも表明した。「米国で市場熟知していないと変調への対応手段限られるとわかった」とこの損失で野村HD社長のコメントもあったが、市場を熟知しているはずの米国の金融機関も大きな痛手を食っていたことも確かである。

 9月の短観に見られていたように足元の日本経済はしっかりしており、サブプライム問題による金融市場での不安心理が後退し、さらに懸念も強い米経済への影響もさほど大きくはないとの見方が強まれば、早期の追加利上げの可能性はあるとみていた。

 しかし、サブプライム問題による金融市場での不安心理はなかなか後退せず、米経済への影響についても、バーナンキFRB議長は15日の講演で「金融市場の混乱、FRBの景気見通しに多大な影響を与えた」「完全回復には時間を要する」といった発言もしており、こういったFRBの姿勢が、上記の日銀の福井総裁発言にも影響していたのではないかともみられる。

 このため、10月31日における日銀の追加利上げの可能性しはさすがに小さいと見ざるを得ず、米国経済や米国金融市場の動向を見ながら、日銀は年内での利上げのタイミングを模索していくものとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-10-16 13:08 | 日銀 | Comments(0)
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