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「ムーディーズによる日本国債の格上げについて」

 
 「格付け」とは、債券などの元本や利息が、約定通りに支払われるかどうかの確実性を、専門的な第三者(格付機関)が評価して段階的に表示したものである。

 たとえば、ある会社が債券を発行したいとき、格付け機関に費用を払って格付けを取得する。もしこの格付けが高いと、その企業の安全性が高いことが認められたわけで、高い利子をつけなくても債券を発行できるようになる。格付け機関は、こういった企業の格付けのほかに、独自で国の格付けも実施している。

 米国の大手格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、1998年11月日に日本政府発行の国債の格付けを、Aaa(トリプルA)からAa1(ダブルA1)と最も高い段階から、一段階引き下げた。さらに2000年9月には、Aa1からAa2(ダブルA2)ともう一段引き下げ、 2001年12月にはもう一段格下のAa3(ダブルA3)にまでに引き下げた。そして、2002年5月には、A2まで二段階も引き下げていた。

 先進七カ国の中でみると、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダがAaa(トリプルA)となっており、イタリアは2002年5月にAa3(シングルA3)からAa2(シングルA2)と一段階引き上げられている。

 日本国債の格下げの理由として、ムーディーズは「日本の政策では国内債務の持続的悪化に歯止めがかけられないため」といったことをあげていた。(以上、拙著「日本国債は危なくない」より)

 そして、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2007年10月11日に、日本政府の円建て国内債券(日本国債)の格付けをA2からA1に引き上げた。

 ちなみに現在のところ、A1(シングルA1)格の国には、チェコ、中国、キプロス、ギリシャ、チリ、バハマ、ボツワナ。A2(シングルA2)格の国には、イスラエル、ハンガリー、ポーランド、南アフリカ、ラトビア、リトアニアなどとなっている。

 7月にムーディーズは日本の格付けA2を引き上げ方向で見直していたが、今回の格上げの理由は、福田新政権下で財政方針が継続されるとの期待を反映したものだとか。

 2002年5月にムーディーズ、日本国債をAa3からA2に引き下げていた。こういった格付け会社の格下げに対して2002年4月に財務省は欧米の格付け会社3社に対して、日本国債の格付けに関する「意見書」を送付していた経緯もあった。

 今回の格上げに対して、相場への影響はほとんど皆無となっていた。格下げの際にも肝心の日本国債はほとんど無視といった状態ともなっていたのことからも当然の動きか。

 しかし、格下げの理由も良くわからないが、このタイミングでの格上げの理由もまた良くわからない。
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by nihonkokusai | 2007-10-15 10:18 | 国債 | Comments(0)
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