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「10月31日の決定会合での利上げの可能性残る」


 9月18日のFOMCで米FRBはFF金利の誘導目標値を0.5%引き下げ4.75%としたが、これを受けて米債はインフレ懸念の強まりなどが意識され、長期債主体に下落基調となった。9月18日から19日にかけて開催された日銀の金融政策決定会合では、予想されたように追加利上げは見送られたが、円債も米債につれ安するかちで下落した。長期金利は18日に1.530%をつけていたが、27日には1.725%と0.2%程度の利回り上昇となった。また、米サブプライム問題による金融不安は次第に解消に向かいつつあるとの認識も強まった。欧米の大手銀行などがサブプライム関連による大幅な損失を計上したとの報道も相次いだが、これはむしろ信用収縮は最悪期を脱したとの見方が強まりダウは過去最高値を更新した。これを受けて日経平均株価も17000円台をつけた。このため債券はいったん下げ止まったものの、戻りも鈍く、その後長期金利は1.7%近辺での動きが続いた。

 総務省が9月28日発表した8月の全国のコア消費者物価指数は前年同月比0.1%の下落。9月のコア東京都区部消費者物価指数は前年同月比0.1%下落となり、引き続き消費者物価についてはゼロ近傍が続いた。8月の全世帯実質消費は前年比+1.6%、季調済前月比+0.4%となり、8月は猛暑の効果が消費支出を大きく押し上げた。同日に経済産業省が発表した8月の鉱工業生産指数は前月比3.4%上昇と、2か月ぶりの上昇となった。経済産業省は生産の動向について全体の基調判断を3カ月ぶりに「横ばい傾向で推移」から「緩やかながら上昇傾向」に上方修正した。また、1日に発表された9月調査の日銀短観によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス23となり、前回6月調査と変わらずとなったが、市場予想のプラス 22を上回った。2007年度大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+8.7%と0.9%の上方修正となった。ただし、中小企業の業況判断や設備投資計画が弱く、大企業との格差が広がっていることが示された。短観の調査時期には、サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱などがあったものの、足元国内経済に関しては、格差は広がってはいるが、全般で見る限りさほど影響ないとの認識か。これにより10月末に発表される日銀の「展望リポート」については、現在のシナリオが維持されるとみられる。

 日銀の須田審議委員は9月27日の講演の中で、米国経済については、サブプライム問題の影響により「米国経済の成長率が潜在成長率並に回復する時期は、やや後ズレする可能性が高い」とみているものの、「(日本の)輸出の見通しにはさほど大きな影響を及ぼすことはない」と考えていることを示した。また、今後については「どのようなスピードで金利調整するのが望ましいのか定かではありません。ただ、あまりにゆっくりとした金利調整を行うと、経済が過熱するリスクが高まります。もし遅すぎる対応であったことが判明し、将来の過熱リスクが高まれば積極的に対応しなければなりません。」とも指摘した。また10月4日に岩田副総裁は講演で「仮に先行きアメリカの減速度合いが強まり、欧州諸国でも景気が減速するとすれば、日本の成長率に下方リスクが生じ得ることに留意する必要があります」とも述べていた。日銀の追加利上げ時期はかなり後連れするとの見方が市場では強いものの、短観に見られていたように足元の日本経済はしっかりしており、サブプライム問題による金融市場での不安心理が後退し、さらに懸念も強い米経済への影響もさほど大きくはないとの見方が強まれば、年内での追加利上げの可能性はある。それが展望レポートの発表される10月31日の会合となる可能性も排除はできない。長期金利は9月18日の1.530%から大きく切り返して一時1.7%台に上昇したが、今後も長期金利には上昇圧力が掛かりやすいとみている。
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by nihonkokusai | 2007-10-05 10:24 | 日銀 | Comments(0)
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