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「カンザスシティ連銀主催のシンポジウム」


 先週末の米国市場では、ブッシュ大統領のサブプライムローン問題に関する対策の発表とともに、バーナンキFRB議長講演内容が注目された。この講演は米ワイオミング州ジャクソンホールで開いたカンザスシティ連銀主催のシンポジウムの会合初日に行なわれたものであった。

 この講演の中で、バーナンキ議長は必要に応じた対策を講じることをあらためて表明した。しかし、これで早期の追加利下げが実施されるのかどうかは、市場参加者ではそれぞれの見方によって分かれた。

 「The Federal Reserve stands ready to take additional actions as needed to provide liquidity and promote the orderly functioning of markets.」

 「The Committee continues to monitor the situation and will act as needed to limit the adverse effects on the broader economy that may arise from the disruptions in financial markets.」

 個人的には、今回のバーナンキ議長の発言からは、すぐに利下げを実施する構えはなく、住宅市場が経済に大きな影響を与えうる兆候等を捉えた際に、政策金利の変更を行なってくるとみられる。もし景気に対しての影響がそれほど大きなものではないと結論付ければ利下げは見送られる可能性も十分にある。それまでは流動性供給等の手段を講じてくるのではないかとみている。

 それはさておき、9月3日の日経新聞ではこのカンザスシティ連銀主催のシンポジウムに関して過去に興味深い出来ごとがあったことを伝えている。ロシア危機とヘッジファンド危機に見舞われた1998年に、当時のグリーンスパンFRB議長がこのカンザスシティ連銀主催のシンポジウムの合間に FRB理事や地区連銀総裁とひそかに接触し、その後の利下げの流れをつくったと言われるているそうである。

 その利下げが結果として米住宅バブルを生んだ結果、今回のサブプライム問題が生じたとの見方もあるが、それはさておき、今回のカンザスシティ連銀主催のシンポジウムでバーナンキ議長はどのような行動を取ったのかについても興味深い。ある程度、マスコミ等から遮断されての意見交換の場もあるとみられ、フェルドシュタイン教授や、シラー教授、テーラー教授といった著名学者とともに、ウェーバー独連銀総裁や日銀の岩田副総裁なども出席している。ただし、トリシェ ECB総裁はこの米ジャクソンホール訪問を「個人的理由」でキャンセルしている。

 今回は欧州発の金融不安の拡大という側面もあってECBや、円キャリートレードが日銀の低金利政策の影響とも指摘されていることでの日銀の金融政策の行方についても、関心は高いはずである。それぞれの今後の金融政策に関して意見交換が行なわれたと見てしかるべきであろうか。しかし、トリシェECB総裁の出席キャンセルはやや気になるところでもある。
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by nihonkokusai | 2007-09-03 10:52 | 日銀 | Comments(0)
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