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「郵貯資金の流出で国債は暴落するのか」

 郵貯が民営化されても国債の暴落は起きないと断言したい。別に日銀がそれを引き受けてくれるからとか言うわけでもなく、そもそも安易に日銀の国債を引き受けを行ったときこそ国債は暴落する。

 2005年度3月末の日銀の資金循環統計を見ていただきたい。ここに郵貯の資産が何で運用されているのかが一目瞭然である。260兆円の郵貯の資産のうち 105兆円と40.4%が財投債を含む国債であるが、それ以上に多いのが118兆円近くある財投融資資金預託金である。これが45.2%を占め、この両者で86%近くとなる。

 郵政民営化によって仮に大量に資金が流出したとすると、その資金を手当てするには国債を売却せざるを得ないことは確かである。もし100兆円あまりの国債が一度に売却されれば確かに市場は混乱を極める。

 しかし、これだけ情報が公開されている世の中にあって、ある程度その動きが事前に予測できる際には、当然事前にいろいろな手立てを打つことができる。長年マーケットに浸かっていた身として言えるのだが、事前に予想されていたイベントで暴騰や暴落を引き起こすことはまずありえない。暴落が引き起こされるのは、あくまで予想外の突発事項によるものである。

 仮に郵貯の国債大量売却が現実化したとしても、この場合も金融当局や日銀などが対応策を話し合い、その売却が円滑になるような手立てを用いることは容易に想像できる。しかも、そもそも100兆円もの資金が流出して、それを何で運用するというのであろうか。これだけ巨額の資金をリスク・安全性を考慮して振り向ける先としては結果として国債しかあり得ない。

 デフレが続くと見てタンス預金にするというのか。現金を保有する保管リスクや保管コストを考えれば、それよりも民間金融機関などの口座に入れておく方が安全であろう。もしくはより安全な個人向け国債を購入したりするはずである。一人当たり1000万円しか(私にとっては1000万円も、だが)郵貯には本来預けられないはずであり(名寄せはしっかりやってほしい)、この金額では民間金融機関に預け入れたとしてもリスクはそれほど大きなものにはならないはずである。

 結果として、郵貯から流出した資金は、かなりの部分が金融機関なり預入限度のない個人向け国債なりにシフトされることは容易に想像できる。結果的には回りまわって資金の多くは国債投資に再度向かう結果となるはずである。その資金のシフトの過程でのリスクもあるが、マーケット参加者が事前にこれを理解しているものであれば、慌てて国債を売るような参加者はいないはずである。というわけで、郵政民営化による資金流出による国債の「暴落」はありえない。
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by nihonkokusai | 2005-08-24 14:08 | 国債 | Comments(0)
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