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「日銀、門間調査統計局長のセミナー」


 昨日24日に、証券アナリスト協会主催のセミナーに参加し、日本銀行の門間調査統計局長のお話を聞いてきた。こういったセミナーに参加するのは久しぶり。最近はもっぱら出不精となってしまっていたが、今後は少し気持ちも切り替えて、こういったセミナーにも参加して脳をリフレッシュさせる必要もあると感じた。

 調査統計局長は日銀の金融政策を決める金融政策決定会合にも執行部として出席し、経済情勢等の報告を行なっているが、今回のセミナーの主題は「日本経済の現状と展望」ということで、データやグラフなどの資料を基に解説していただいた。

 実質GDPについては2003年より2%成長が維持され、4月の展望レポートでも2007年、2008年度ともに2.1%成長予想となっており、ほぼそれに沿った動きとなっていると。ただし、4-6月期のGDPについては減速しても驚くべきものではないと指摘、これによって見通しが変化するようなこともない。ただ、メディアが景気失速といった報道をする可能性があり、海外投資家がそれによって動きを示す可能性はあるかもしれない。

 日銀短観の中では、非製造業の中小企業が引き続き水面下にあることについては、公共事業の減少により建設への影響に加え、小売り、サービスなどは材料の高騰などの影響を受けやすい点などを指摘されていた。

 輸出入については、輸出の増加はもちろん輸入も増加している点から、内需も増加している点を指摘。輸出の増加についてはグローバル経済に対応したグローバルモデルの拡大均衡などの効果が大きい点も。

 地域別の実質輸出の内訳からは、米国が2006年の4Qあたりからの経済減速に伴い米国向けが減少しているが、それをEUやBRICs諸国などへの輸出でしっかりカバーされている点も示した。輸出増加の背景のひとつとしても実質実行為替レートで1985年のプラザ合意以来の円安となっていことも要因。

 鉱工業生産における1-3月の減速については、電子デバイス関連の在庫調整の影響が大きかったとも。この要因としてはPC関連でのWindows Vistaの伸び悩み、携帯電話の在庫増などが影響したのではないかと。

 企業収益については、利益還元の一環としての配当金総額がここにきて大きく伸びている点を指摘。

 さらに雇用の関係では、一人当たりの賃金低下の要因として、企業の賃金への抑制姿勢、三位一体といった政策に伴って地方公務員給与の引き下げ、団塊の世代の退職に伴う要因、パートやアルバイトの増加とともに短時間パートなどが増えてことなどを指摘。

 個人消費については、調査データにノイズが多く、指標データそのものからはなかなかはっきりした傾向を見出せない。

 消費者物価については、当面ゼロ%近傍で推移。価格上昇抑制要因としては、企業による価格抑制努力、賃金の上昇抑制に加え、価格が上がらないという人々の意識などを指摘。また、家電製品などについては大手家電量販店による価格支配力などについても言及されていた。

 物価に関しては、上昇品目割合から下落品目割合を差し引いたもので見てみると上昇トレンドにある点も指摘。

 以上、お話の内容を簡単にまとめさせていただいた。自分なりの感想は、日本経済は引き続き世界全体の経済成長に中で、2%成長を続けており、今後もその傾向に大きな変化はないとみられる。少なくとも物価が下落することは目先考えられず、どこのまで消費者物価の上昇を企業努力などによって抑制できるのか。今後はこういった上昇抑制要因が少しずつ剥がれてくるのではないかと感じた。8月以降に想定される追加利上げについても、こういった経済指標を確認する限りにおいて違和感はないとみている。
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by nihonkokusai | 2007-07-25 10:44 | 日銀 | Comments(0)
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