「日銀の金融政策はより慎重か」
市場では来週7月11日から12日の金融政策決定会合での追加利上げの可能性を見る向きはほとんどなく、次の利上げは8月以降、特に8月22日から23日にかけての金融政策決定会合で実施されるとの予想が強い。しかし、8月の追加利上げの可能性については、まだいくつか不透明要因もあり、あまり決め打ちもできない。サブプライム問題がまだ燻っている米国経済の動向や、ここにきて支持率低下が顕著な安倍政権に対しての参院選の結果がどのようなものとなるのか、といったことも不確定要因となるかもしれない。
福井日銀総裁も経済・物価を丹念に点検しながら金融政策を適切に運営との発言を繰り返しており、比較的に慎重な姿勢ともみられる。
欧米の金利上昇ピッチ次第では、日本との金利差拡大から円安がさらに進行する恐れもあるが、円安対策としてだけの利上げも考えにくい。日銀の追加利上げには市場でもより慎重な見極めも必要になる。欧米の金利動向次第では、日本の長期金利は再び2%近くまで上昇する可能性があるが、そこを抜けて大きく上昇することも目先は考えづらい。