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「JCIF国際金融セミナーにおける武藤副総裁講演要旨より」


 武藤日銀副総裁のこの講演の内容も、やや慎重や姿勢を伺わせるものとなっていた。そういえば、この講演の内容とは直接的な関係はないが、昨日ロイターによると竹中平蔵氏が「「福井日銀総裁の後任になることは『絶対にない』」との発言したそうである。金融市場関係者の間でも竹中氏の可能性を指摘する声がなかったわけではないものの、現実性は薄いとみていたが、この発言もあり、次期総裁人事に関しての憶測も時期尚早とも思うものの、武藤副総裁が最有力であるかと思われる。

 それはさておき、その武藤副総裁はこの講演の中で、経済・物価を巡るリスク要因として次のような発言があった。

 「一つ目のリスク要因は、海外経済の動向です。今申し述べた見通しでは、海外経済は地域的な拡がりを伴って拡大を続けると想定しています。現在減速過程にある米国経済はソフトランディングし、また他の地域の拡大が米国の減速を補うということです。」

 日本の輸出を見ても米国向けの落ち込みは、他の新興国や資源国などに向けてのものがカバーするなどしており、全体としての落ち込みは今のところない。

 「もっとも、米国経済については、住宅市場の調整の進捗度合いや設備投資の先行きを不安視する見方もあります。ここ数か月話題になっている低所得者層を対象にした住宅融資の延滞問題、いわゆる「サブプライム住宅ローン」の問題については、景気全体や金融システムに広範な影響を及ぼさないとの見方が強まりつつあるようですが、住宅市場の調整が想定以上に深刻なものとなったり、設備投資が下振れた場合には、景気は一段と減速する可能性があります。」

 サププライム住宅ローンの問題については引き続き注意を払っている姿勢が伺える。日銀も当然ながらFRBなどとの情報交換も頻繁に行なっているものとみられるが、この問題の影響をさらに見定める必要がありそうな感じとも受け取れる。

 「米国では、資源の稼働状況が高水準であるもとで、インフレ圧力が持続するリスクもあります。コアの消費者物価の伸び率をみると、このところ幾分低下していますが、依然やや高止まっています。仮にインフレ圧力が減衰しない場合には、長期金利や為替相場などの反応を介して、米国のみならず、世界の金融市場や経済に悪影響が及ぶリスクがあります。」

 米景気については目先サププライム問題の動向を見定める必要があるとしながら、米国の物価面については、リスク要因としながらもインフレ圧力が持続する可能性を指摘している。「長期金利や為替相場などの反応」という部分に、5月あたりからの世界的な長期金利の上昇圧力が生じたことへの懸念といったものも感じられる。あくまでリスク要因ではあるが。
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by nihonkokusai | 2007-07-04 10:03 | 日銀 | Comments(0)
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