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「長期金利動向と今後の行方」


 欧米の長期金利の上昇に加え、日銀の早期追加利上げ観測の強まりなどを受け、債券はここにきて全般に売り圧力を強めている。米国10年債利回りは6月7日に5%台に乗せ、この影響も受けて6月8日に10年債の利回りは1.9%台に、5年債利回りも1.5%台をつけて5年国債としての過去最高利回りを更新した。

 日本の長期金利上昇の背景には、発表された経済・物価の指標において景気の回復、物価の上昇を示すようなものが現れていたこともある。5 月25日に発表された4月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比-0.1%となり、引き続き水面下ながらややマイナス幅を縮小させた。5月28日に発表された需給ギャップは10年ぶりに2期連続でプラスとなった。

 5月29日に発表された完全失業率は、1998年3月以来の3.8%となり、この4%割れの3.8%という位置は、賃金上昇を促しインフレが加速度的に上昇しやすい状況に近づきつつあるとの見方も出ていた。

 5月4日に発表された1-3月期法人企業統計では、設備投資は全産業で前年同期比+13.6%と予想を上回り、1-3月期のGDPは年率3.0%あたりへの上方修正が見込まれる。物価についてもガソリンなどを初め価格上昇圧力が強まっており、それがいずれ消費者物価にも影響を与えそうである。薄型テレビの価格下落も止まっている。

 日本の景気実態は1-3月の好調さを、4-6月まで持続させてきているように思われる。あらためて4-6月期のGDPを確認せずとも、7月までにそろう指標だけでも足元景気の良さ、物価の上昇圧力を感じさせるものが多く出てくるとも予想される。物価や雇用、個人消費などの経済指標に明るさが見えており、日銀の展望レポートに沿った動きともなっていることで、選挙はあるが、7月の追加利上げの可能性は高いとみている。

 日本の長期金利も欧米の長期金利上昇に歩調を合わせてきた格好ともなっているが、長期金利での1.55%あたりから1.7%のレンジ相場からはすでに脱している。チャートなどからも、長期金利は今後、さらなる上昇基調となることが予想される。

 10年利回りでの2.0%がいずれは視野に入ってくるのではないかとみているが、この2.0%の壁もこれまでのような厚さはないと思われる。すでに足元短期金利は0.5%に引き上げられ、夏にも0.75%に利上げされ、年末に向けて物価上昇圧力とともに、1.0%への利上げの可能性も強まるとみているためである。長期金利は2%台に乗せたのち、次回利上げを経て、いずれ2.5%あたりまで上昇するとみている。
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by nihonkokusai | 2007-06-08 10:10 | 債券市場 | Comments(2)
Commented by yabu at 2007-06-09 08:51 x
いつも楽しく読ませていただいております。銀行窓口での投資信託セールス攻撃をくぐり抜け、国債を買っております(笑)
 ところで、新型窓口販売方式の話が財務省の会議資料にでていますが、財務省の意図は何でしょうか。
現在、同方式で販売している郵政省の単価は若干他の機関より高いように思うのですが、今後横並びに高くなると困ります。現行方式との併存も可能のようですが、業界はどちらを選択されると思われますか
Commented by nihonkokusai at 2007-06-12 15:01
yabuさん、コメントありがとうございます。

お問い合わせの件はこちらのことですね。
http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/siryou/d190405d.pdf

郵政民営化も絡んで、現在の個人向けに対する国債販売形式を見直そうとするものとみられます。
個人向け国債だけではなく、通常の国債への個人販売促進が財務省としての目的とみられます。
業界として指摘されているのは証券会社や銀行窓口での販売かと思いますが、国債の仕入れが入札を経ない分簡素化され、一定の募集手数料が入り、単価も一律で顧客にわかりやすいとの側面から、業者も新方式を取るケースが多くなるのではないでしょうか。
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