「水野日銀審議委員の時事通信との会見」
昨日、水野日銀審議委員の時事通信との会見の要旨が発表された。内容を確認して正直のところ驚いた。昨日の「若き知」で示したものと同じような指摘があったためである。水野審議委員は次の追加利上げの時期に関して、個人的な考えとしながら、7月11日、12日に開催される金融政策決定会合での可能性を示した。
その理由としては、「22日投票見通しの参院選まで近すぎるというのが市場参加者の意見だが、展望レポートの中間評価というのは、ある意味で1つの区切りでもある。7月2日の短観も見られるし、米景気に対する見方もある程度整理されることを考えると、6月後半から7月、これから1、2か月でもう少しクリアな内外経済の情勢判断ができるようなデータや環境が整ってくるのではないか」
7月決定会合までの経済や物価指標、特に短観などのデータの内容を確認し、展望レポートの中間評価において、4月の展望レポートの見方と沿ったもの、もしくはそれを上振れる内容となっていれば、政治日程といったなどを意識せずに7月12日の会合での利上げの可能性があることを示したものとみられる。
この水野日銀審議委員の時事通信との会見の中で、「金利正常化」という言葉について水野審議委員は次のように述べていた。
「デフレスパイラルに陥るリスクが後退する中、危機管理対応として発動した超低金利政策を徐々に修正していくという意味で金利正常化を定義するならば、個人的には現在はそのプロセスにあると思う。量的緩和やゼロ金利をなぜ導入したのかということを踏まえると、もう必要がなくなっている超低金利政策を修正していくことを金利の正常化と呼んで何か差し支えあるのかという気持ちはある」
個人的にはまったくもって同意である。そしてこの視点から見る限り、日銀の追加利上げに向けての姿勢が理解できるはずである。