「印刷用紙全品目を値上げ」
本日付の日経新聞によると、製紙最大手の王子製紙は7月から主力の印刷用紙の出荷価格を一律10%以上引き上げるそうである。ガソリン価格に加え、タクシー料金、マヨネーズや塩といった値上げに続いて、印刷用紙も加わる。これらによる物価全体への波及は限定的なものかもしれないし、消費者物価指数への影響も限られよう。しかし、企業が原燃料価格の高騰などをコスト削減などで賄うといった構図はすでに限界にきつつあるのではなかろうか。今回の印刷用紙の値上げも「古紙など原燃料価格の高騰が収益を圧迫しており、製品に転嫁する」というように、やはり原材料や燃料の高騰が要因。
10日の参議院財政金融委員会で、たしか中村審議委員からの発言であったかと思うが、物価を上げないと企業はもたない、といったような発言があったように記憶しているが、そういった環境がさらに強まりつつあるようにも感じる。
問題となるのは、その値上げを消費者が受け容れられるのかということであるが、一人当たりの賃金が団塊の世代の退職者の増加や新卒者の大量採用などで伸び悩みとなっている反面、全体の雇用者所得は緩やかながにも増加している。賞与などの増加もあり、ある程度の値上げは許容できるぐらいの環境にもなっているのではなかろうか。