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「中央銀行の独立性」


現在、6冊目となる本の原稿を書いている。主題は「短期金融市場と日本銀行」。まずは日本銀行の役割といったものから書き始めているのだが、そのためには中央銀行の歴史といったものも調べる必要があり、手に入るものから集めて読んでいる。ここにきての「若き知」が中央銀行関連が多くなっているのもそのためである。

 今、取り掛かっているのが日銀の金融政策であるが、それに絡んでの中央銀行の独立性といったものも調べている。もちろん書いているのは学術書ではなく(わけないか)、金融に興味のある方などの一般向けであるが、ならばこそ中央銀行になぜ独立性が求められるのかを、平易に説明することが大事であると思っている。

 そうなると日銀だけではなく、各国中央銀行の動向なども調べなくてはならない。独立性と透明性といったものが、現在の中央銀行にとっての大きなテーマでもある。しかし、中央銀行が政府からの独立性を得たのは、イングランド銀行にしろ、FRBにしろそれほど昔ではなかった。イングランド銀行の政府からの独立においては、まもなく首相となるブラウン氏、FRBではルービン元財務長官の働きが大きかったといわれる。ECBはドイツ連銀の流れを汲んでいるとともに、複数国を跨いでの中銀という特殊性からも独立性は当初から必要なものであった。

 日本では英米のように政府での理解者や執行者はあまり見あたらない。しかし、量的緩和解除以降の利上げについても、結果として政府は黙認しているが、その過程では政府との見えないところでの交渉といったものもあったと思われる。政府が黙認したこと自体、日銀の独立性を尊重したこともあろうが、それなりの理解も示したのではないかとも推測される。

 日銀も新日銀法によって独立性は認められながらも、それを確立している途中にある。その信認は自ら得るべきものでもある。量的緩和解除とその後の利上げについては、政府関係者も含めて外部からの批判にも晒された。思わぬところから総裁の村上ファンド問題なども降ってきた。

 しかし、これらによって日銀への信認が薄れたとの見方はできない。利上げによって、預貯金金利なども顕微鏡で見る必要から肉眼でも確認できる程度に上がり、短期金融市場は緊張感を取り戻し金利生成機能を取り戻している。景気も緩やかな回復基調を辿っており、なかった金利が再び存在してきても、そのマイナスの影響は限定的で、むしろ金利形成に緊張感を取り戻したことで機能が回復したという意義は大きい。こういった結果はあまり重視されないかもしれないが、現在の日銀の方向性が間違ったものではなかったことが、今後さらに明らかとなるにつれて、信認といったものは自然とついてくると思われる。
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by nihonkokusai | 2007-05-18 15:01 | 日銀 | Comments(1)
Commented by ニッシン at 2011-08-31 01:00 x
 中央銀行の独立性はロス茶のような国際金融家が、経済学分野に多くの刺客学者を忍び込ませて作った幻影で、だれひとつ民主主義政治との整合をつけようとしない。日本銀行とは、金融の世界では日本政府よりも存在感が大きいのに、シビリアンコントロールがなされていない。戦前の軍隊のような存在になりつつある。
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