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「ASEANプラス3の外貨一括プール」


 新聞各紙によると、5日に京都で開催された東南アジア諸国連合と日中韓のASEANプラス3の財務省会議において、通貨危機の際に外貨を互いに融通する新たな制度を創設することで合意したそうである。報道によると、今回合意した新制度は、各国の外貨準備の一部をそれぞれ拠出して1か所に集め、参加国の通貨が急落した際に買い支えに必要な米ドルなどの外貨を貸し出す仕組みとなる。外貨の拠出先や各国の拠出割当額といった制度の詳細は今後数年かけて検討する。会議後の共同声明によると、拠出した外貨の運用方針は各国が決めるという、緩やかな枠組みとして、スタートする見通し。

 すでに1997年に発生した通貨危機の教訓を踏まえ、2000年にASEANプラス3財務相会議で合意した「チェンマイ・イニシアチブ」に基づいて、2国間協定を基本にアジアの通貨協力が実施されている。今回の新たな多国間協定では、2国間協定を結んでいない国を含め、メンバーの13か国すべてが参加する見通しとなったことで、2国間協定が多国間協定に一本化されることで、一度の要請で多くの関係国が外貨を融通できるようになる。

 アジア諸国との通貨に関しての協定などが、このように徐々にではあるが進みつつある。しかし、今回の会議は財務省主導のものであり、中央銀行などは参加していない。

 たとえば、アジアの債券市場の育成構想についても、財務省の「アジア債券市場育成イニシアチブ」と、日本銀行も参加している東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)の構想「アジア・ボンド・ファンド」(ABF)プロジェクト」が同時に進んでいる。

 日本銀行のホームページでは、ABFは「投資家の立場」(需要サイド)からの取組みであり、ASEAN10カ国に日本、中国、韓国を加えた ASEAN+3の財務省および中央銀行が進める「発行体の立場」(供給サイド)からの取組みである「アジア債券市場育成イニシアティブ」(Asian Bond Markets Initiative<ABMI>)とは相互補完的なものと位置付けられます、としているが、相互補完的ならば一本化しての取り組みなどができないものなのであろうか。

 ASEANプラス3の参加国は、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアのASEAN10か国と日中韓の計13カ国。

 EMEAPとはExecutives’ Meeting of East Asia and Pacific Central Banksの略称で、1991年に日本銀行の提唱により、各国の金融政策運営などについて、自由に情報や意見を交換する非公式な会合として発足したもの。メンバーは、オーストラリア準銀、中国人民銀行、香港金融管理局、インドネシア中銀、韓国銀行、マレーシア中銀、ニュージーランド準銀、フィリピン中銀、シンガポール通貨庁、タイ中銀及び日本銀行の11中銀・通貨当局。(日本銀行ホームページより)
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by nihonkokusai | 2007-05-07 10:09 | 債券市場 | Comments(3)
Commented by finance at 2007-05-07 23:55 x
いつも楽しく拝見しています。

正確には、一番上のレベルで中央銀行総裁が入っていないということになりますが、実際には次のレベル(Deputies Level)までは、財務省と中銀が連携して入っていますので、指摘されているような問題は基本的にないと思います。しかし、G-7などがそうであるように、トップレベルで中央銀行総裁も参加することには大きな意味があると思います。
Commented by nihonkokusai at 2007-05-08 09:13

financeさん、書き込みありがとうございます。

 報道されたものをもとに書いておりましたが、実際には財務省と中銀が連携していたのですね。ご指摘ありがとうございます。
 アジア諸国における通貨や金融面での協力体制は、なかなか難しいものがありながら、少しずつでも構築していく必要があると思いますので、今後の動向についても注意を払っていきたいと思っています。
Commented by finance at 2007-05-08 10:41 x
わざわざコメント恐縮です。中銀総裁を最後のレベルまでインボルブすべきとの意見に賛成です。過去にそのような提案をしたペーパーもあります。さて、新聞記者の皆さんには、(ご苦労されている面もあると思いますが)一部不勉強な面と、きちんと記者同士でたとえばアジア通貨危機とその後の対応といったテーマについて引き継ぎがされていない印象を受けます。ブログコミュニティも、アジアで起きていることについて理解不十分の欧米勢をにらみながら、必要な役割を果たす時期にきていると思います。この方面もフォローされるとのこと、よろしくお願いします。
職場が変わって英文紙購読がインターネット購読のみになってしまい追いかけ切れていませんが、週末にすこしまとめたものをアップしたいと思っています。
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