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「金融政策決定会合議事要旨(2月20日~21日開催分)より、消費者物価指数に関して」


 2月20日~21日開催分の金融政策決定会合議事要より、消費者物価指数に関して各委員の発言についてみてみたい。

 「消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比について、委員は、小幅のプラスで推移しており、目先、原油価格反落の影響などからゼロ近傍となる可能性があるが、より長い目でみると、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していく中、プラス基調を続けていくと予想されるとの見方を共有した。」

 これは福井総裁が会見などでも良く指摘している部分でもある。「ゼロ近傍」との表現もあることで総裁を主体としての意見を取りまとめたものとみられる。

 「大方の委員は、このところの原油価格の反落が当面の消費者物価の前年比の下押しに働くとみられ、場合によっては一時的に前年比がゼロ%ないし若干のマイナスとなる可能性があると指摘した。」

 岩田副総裁が追加利上げに反対した理由の中に「物価上昇率の先行きに不透明感が強いこと」を指摘している。ただし、前年比がゼロ%ないし若干のマイナスとなっても「一時的」との見方が多数となっているものとみられる。福井総裁は先日の参院財政金融委員会において「消費者物価の前年比、プラス基調で推移すると予想」と述べている。この発言をもってマイナスの予想は後退したのかは定かではない。

 「このうちの何人かの委員は、原油価格反落に加え、携帯電話の新料金プラン導入も、下押しに働く可能性があると述べた。」

 これはソフトバンクのホワイトプランのことか。ちなみに私もソフトバンクだが料金は下がってない。早く他社に乗り換えたい。

 「一方で、このうちの一人の委員は、サービス価格に上昇の兆しがみられるほか、帰属家賃の上昇が見込まれるなど、先行きの物価の押し上げ要因があると付け加えた。」

 この帰属家賃は今後も注意すべきものである。帰属家賃に関してはこういった解説が検索された。「持家に住んでいる人は、家賃こそ支払っていませんが、借家に住んでいる人同様住宅サービスを享受しています。その持家の住宅サービスを、市中の家賃で評価したものを帰属家賃といいます。」(高知県のホームページより)

 「もう一人の委員は、足もとでも、国内での鉄・非鉄金属の価格上昇、中国からの素材輸入価格上昇、円安による輸入価格上昇などの押し上げ要因が観察される点は、今後の物価動向を見通す際に勘案する必要があるとコメントした。」

 複数の委員が、物価の上昇要因についてそれぞれ述べている。これは基調としては物価上昇圧力が強まっていることを個別要因からもフォローしているものとみられる。

 「その上で、多くの委員は、重要な点は、足もとの指数の動きよりも、物価を巡る基本的な環境をどのように判断するかであるとの認識を示した。これらの委員は、この観点から判断すると、設備や労働といった資源の稼働状況が高まっており、今後も景気拡大が続くと考えられることから、より長い目でみると、基調的な物価上昇圧力は高まっていくとみられるとの見解を示した。」

 2月の追加利上げに賛成した政策委員の消費者物価に対しての見方といったものが、ここに収斂されているのではなかろうか。

 「先行きの物価動向に関連して、ある委員は、昨年の基準改定後の新指数では、消費者物価のトレンドを捉えにくくなっていると指摘した上で、新指数は、従来の指数に比べて、需給ギャップへの感応度が低下している可能性があると述べた。また、企業物価指数の動きから、内外需給の引き締まり傾向が一段落している可能性が窺われるほか、賃金の伸び悩みを踏まえると、今後、ユニット・レーバー・コストが低下することも考えられる点には留意する必要があると述べた。

 この発言は面白い。どのようなかたちで需給ギャップへの感応度が低下しているのかを示してほしいところでもある。これは発言の内容からは西村委員の発言ではないかと推測される。1月は慎重姿勢であったとみられる西村委員が2月に賛成票を投じたが、この発言からも物価の先行きについてはやや慎重な見方でもあるように感じる。

 「資産価格の動向に関連して、一人の委員は、都心における企業のオフィス需要は高まっており、不動産市場の活況には注意を払う必要があると述べた。その上で、この委員は、全体としてみれば、これまでのところ、企業は採算を慎重に見極めて不動産投資を行っており、実勢に見合った価格形成が行われているとの見方を示した。」

 都心における企業のオフィス需要については、国土交通省が本日発表した2007年1月1日時点の公示地価などからも明らかとなっている。資産価格の上昇についてはまだ警戒水域には達していないとの認識であろう。とはいえ注意する必要も認識していることが伺える。
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by nihonkokusai | 2007-03-29 09:55 | 日銀 | Comments(0)
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