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「短期金融市場の変化」


 日銀による2006年3月の量的緩和政策の解除と7月の量的緩和解除、そして、2007年2月の追加利上げにより、低迷し続けていた短期金融市場も活性化しつつあり、その意味で、失われた10年の溝を埋めて正常化しつつあるといえる。しかし、この失われた10年はまだいろいろなところに歪も生んでいる。その間にRTGSが実施されるなど決済方式も大きく変わった。

 日銀が誘導目標としている無担保コール翌日物の金利であるが、これはブローカー経由と取引と直接相対で取引するダイレクトディールに分かれている。昔はブローカーを通じた取引がメーンであったものの、ゼロ金利政策により金利がほとんどつかなくなり、金利に比較して手数料が大きいといった事態が生じたことで、ダイレクトディールが増加し、その傾向はゼロ金利解除後も大きくは変わっていないようなのである。ブローカー経由にともなうコールレートとともにダイレクトディールにともなえコールレートも存在するが、後者については公表されていない。

 さらにコール市場において資金の最大の取り手でもあった大手銀行が預超となっていることで資金の出してに回ることが多く、資金の取り手としては外銀などが大きな存在となっているようである。コール市場はある意味、日銀を中心としたムラ社会的な存在であり、それなりにいろいろと暗黙の了解事項等あったとみられるが、そういった体制も外銀などが積極的に参加してきたことで崩れつつあるとか。そういった意味でのコール市場における昔の常識といったものが通用しなくなっているとも言われる。

 時代とともに市場も変化してくるのは当然ながら、一時期ほとんど機能していなかった市場が突然、目覚めることとなり、そこにいろいろなギャップが生じてくるのはいたしかたないのかもしれない。

 たとえば、すでにレポ市場の残高がコール市場の残高を大きく超えていることで、日銀の政策目標そのものも無担保コール翌日物金利ではなく GCレポ金利にすべきではないかといった声も強い。3月7日の加藤出氏のレポートにもあったが、こういう意見に対しては「日銀が直接操作できるのは日銀当座預金残高である。それにより準備預金の進捗をコントロールすることで最も影響を与えられる市場金利は、無担保コール・オーバーナイト金利と言える」としている。米国でも「レポ市場の方がフェデラルファンド市場よりも遥かに巨大な残高になっている。それでもFRBはフェデラルファンド金利を誘導対象にしている」といったこともある。

 日銀の金融政策が正常化に向けて動きつつある中、そのお膝元というべき短期金融市場の姿も失われた10年以前とはまた様相を異にしつつある。OIS市場といったものも形成されているが、こういった短期金融市場の変化といったものにも注意して行く必要があるのかもしれない。
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by nihonkokusai | 2007-03-07 13:54 | 日銀 | Comments(0)
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