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「1月17~18日日銀金融政策決定会合議事要旨より」


 「先行きについて、委員は、最も蓋然性の高い見通しとしては、雇用・所得環境の改善が進むもとで、個人消費の基調を形成する動きはよりしっかりしていくとみられるとの認識を共有した。ただ、何人かの委員は、そうした先行きの判断に確信を持つには、もう少しデータの蓄積が必要であると付け加えた。」

 先行きの判断に確信を持つためにはもう少しデータの蓄積が必要とした委員が「何人か」の複数人いたことがわかる。

 「ただし、一人の委員は、IT関連分野の最終需要の動向には不確実性が高いため、引き続き今後の動向を注視する必要があると述べた。」

 岩田副総裁であろうか。

 「多くの委員は、重要な点は、足もとの指数の動きよりも、来年度までを展望して、物価形成の基本的なメカニズム、すなわち、需給ギャップやユニット・レーバー・コストと物価の関係をどう判断していくかであるとの考え方を示した。それらの委員は、需給ギャップやユニット・レーバー・コストの動きからみて、基調的な物価上昇圧力は着実に高まっているとみられると付け加えた。」

 ちなみに本日、10-12月期GDPギャップは+0.6%と1997年1-3月期以来のプラスとなったと内閣府が発表している。ただし、7-9月期とならして考えればゼロ近傍と理解との内閣府審議官の発言も。

 「一方、一人の委員は、グローバルな競争のもとで、企業が価格を引き上げづらい状況は続いているとコメントした。その委員も含め、何人かの委員は、消費者物価の上昇率が基調として少しずつ上がっていくとしても、その速度については依然として不確実性が残っているとの見解を示した。」

 何人かの委員が消費者物価の上昇率の速度について不確実性が残っていると指摘。一人ではなかった。

 「何人かの委員は、このところの原油価格の反落が当面の消費者物価の前年比に対し下押し方向に働くとみられ、場合によっては一時的に前年比がゼロ%ないし若干のマイナスとなる可能性があると述べた。」

 こちらも何人かの委員の発言。

 「そのうち一人の委員は、東京都区部の速報値などからみて、12月の前年比は11月対比鈍化する可能性が高いと付け加えた。」

 現実に1月26日に発表された12月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%となり、上昇率は前月の0.2%より縮まった。この発言も岩田副総裁のものである可能性が強いようにも思われる。

 「一人の委員は、「見通し」に沿った景気の拡大や物価の上昇が実現する時期が後ずれしており、先行きの経済・物価の展開については不確実性が依然存在していると付け加えた。」

 岩田副総裁か。

 「次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、何人かの委員は、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標をこれまでの 0.25%前後から、0.5%前後へ引き上げることが適当であるとの見解を示した。これらの委員は、最近の経済指標の動きが経済のメカニズムについての評価を変えるものではないことを踏まえると、今後とも経済・物価が望ましい姿で推移していくためには、ここで政策金利の調整を行うことが適当であり、こうした措置は長い目でみて物価の安定と持続的な成長に資するものであるとの考え方を示した。これら委員は、現行の政策金利水準を維持した場合のリスクとして、金融政策面からの刺激効果が強まり過ぎる可能性や、低金利が経済・物価情勢と離れて長く継続するという期待が強まる可能性を指摘した。」

 「これら委員は、フォワード・ルッキングな金融政策運営を行っていく上では、先行きの見通しに十分な確信を得ることが重要であり、現時点においては、そうした確認作業を行う時間的な余裕があるとの考え方を示した。このうち複数の委員は、こうした確認作業を経て、経済・物価の先行きが見通しに沿って展開していくことについて十分な確信が得られた段階では、遅滞なく政策金利の調整を行い、低金利が経済・物価情勢と離れて長く継続するという期待が定着しないようにする必要があると付け加えた。」

 この2つの、何人かの委員、これらの委員、は利上げを主張した須田、水野、野田の各委員かとみられる。

 「委員は、①日本銀行としては、金融政策運営に当たって、時期を予め特定化する考え方は採っていないこと、②金融政策運営に当たっては、足もとまでの指標や情報を丹念に分析し、それをもとに先行きの経済・物価情勢を展望していくべきであること、③その意味で「フォワード・ルッキング」と「データ・ディペンデント」は矛盾する概念ではないこと、④これらの点について丁寧に説明していくことが重要であること、を確認した。」

 これは福井総裁か。

 次に現状維持に反対した各委員のコメント・

 「須田委員は、①経済・物価の先行きシナリオにより確信が得られたこと、②低金利が経済・物価情勢と離れて長く継続するという期待が定着するような場合には、金融行動・投資行動などを通じて、中長期的にみて、経済・物価が大きく変動する可能性があること、③安定的な成長を持続させるためには、金融政策の効果が現れてくるまでのタイムラグを踏まえると、問題が目にみえるようになる前に対応する必要があること、から、反対した。」

 「水野委員は、①先行きの景気は緩やかな拡大を続ける可能性が高く、長い目でみれば、物価も徐々に上昇していくことが見込まれること、② こうした展望が確認できた以上、金融政策の正常化を進めることが自然であり、正常化を進めないと、金融政策予想の不確実性を高めてしまうこと、③そうした状況が金融市場に定着することによって、市場との対話が困難になること、④また今回利上げを見送った場合、為替円安の進行を容認したと誤解される惧れがあること、から、反対した。」

 「野田委員は、①生産・所得・支出の好循環というメカニズムが維持されるもとで、展望レポートのシナリオに大筋沿って、経済の緩やかな拡大が続くと改めて判断されたこと、②現行の政策金利水準を維持すれば、金融政策面からの刺激効果が一段と強まり、将来、経済・物価の振幅が大きくなるリスクが高まってしまうこと、③このタイミングで政策金利水準を引き上げておくことが、フォワード・ルッキングな金融政策運営の考え方に適っていること、から反対した。」

 金融経済月報に掲載する「基本的見解」が検討され、採決に付された。採決の結果、「基本的見解」が賛成多数で決定された。反対は須田委員1人。その須田委員の反対理由は以下のとおり。

 須田委員は、① 2006 年度の成長率下振れは、2005 年度計数が確報化されたことにより、2006 年度への発射台が縮小したことの影響が大きく、経済の実勢としては展望レポートに示したシナリオに概ね沿った動きを示していると考えられること、②7~9月における個人消費の落ち込みには、天候不順や新製品投入前の買い控えといった一時的要因が大きく影響しており、10月以降の関連指標は総じて持ち直していることから、個人消費の現状判断における「やや伸び悩みつつも」という表現は不要であること、から反対した。
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by nihonkokusai | 2007-02-26 14:45 | 日銀 | Comments(0)
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