牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「12月の家計調査と鉱工業生産」


 30日に発表された12月家計調査は前年比実質-1.9%と予想の-1.2~-1.3%を下回った。消費支出は12か月連続で前年割れとなり、減少率は 11月の-0.7%よりも拡大した。10-12月期でみると7-9月期に比べて2.5%の上昇となった。「秋までの消費の弱さが薄らぎつつある」との総務省のコメントもあったが、消費の回復にはそれほど力強さも感じられない。勤労者世帯(サラリーマン世帯)の実収入は賞与分を含め96万8162円で 6.5%増加となった反面、実質消費支出は3.3%減っている。その分、貯蓄等に回したものとみられる。

 同時に発表された12月鉱工業生産速報は、前月比+0.7%とこちらは予想の+0.2%~0.4%を上回り、12月鉱工業生産指数は過去最高を更新した。経産省は「生産は上昇傾向」との基調判断を7か月連続で据え置いた。

 自動車をはじめとする輸送機械や一般機械が伸びた反面、IT関連では低下も目立ち、携帯電話などの情報通信機械の生産指数は7.7%の低下、電子部品・デバイスは1.7%の低下となった。さらに出荷が前月比-0.8%と減少していた上に在庫は+1.3%と増加するなど内容はあまり良くない。

 加えて1月の生産予測は前月比-2.8%、2月が+0.1%と今後は伸び悩みと予想されている。1月予測指数が前回予測(-0.8%)に比べても大幅に下方修正された要因は、電子部品・デバイス工業の予測指数が大幅下方修正された点にあるとみられ、IT関連の今後の動向を注意する必要がある。

 12月の家計調査と鉱工業生産を見る限り、日銀の早期追加利上げ観測はさらに後退するものと予想される。福井日銀総裁は12月に利上げを見送った際に、「フォワードルッキングながらも足元の経済物価情勢を無視できない」と発言していたが、その中でも特に個人消費や消費者物価の動向に対して注目していた。1月26日に発表された12月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%となり、市場予想の+0.2%を下回っていた。これに続いて個人消費も予想以上に回復力が鈍いとなると、12月や1月に見送られた利上げを2月に行うことを正当化できるための要因が見当たらない。

 しかし、米国経済が軟着陸をみせつつあり、原油価格の落ち着きや、一時的にせよ円安傾向ともなっており、足元経済については引き続き回復基調にあることも確かである。それがいずれ個人消費などにも影響してくるとみられるが、今はもう少し待つ必要もあるように思われる。
[PR]
by nihonkokusai | 2007-01-31 13:42 | 景気物価動向 | Comments(2)
Commented by 貧乏人 at 2007-01-31 22:43 x
働けど働けどわが生活楽にならざりじっと手を見る。
この国でサラリーマンが給料を使い切るほど個人消費がのびる
時代はくるのでしょうか。
バブル時代の消費は、消費があって景気がよくなったわけでは
なく、景気を背景に、いやバブルを背景に消費がのびただけ。
若手サラリーマンでも首切りを目の当たりにした後では、財布の
紐が緩むのは容易なことではないのでは。
Commented by nihonkokusai at 2007-02-01 14:27

企業業績は伸びても所得に跳ね返らず、成果主義といったように雇用の体系も変化して消費よりも自分のリスクに備えての蓄えがまず優先。消費もメリハリを利かせざるを得ないですよね。
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー