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「小説『日本国債』オリジナル文庫版明日発売」


 幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』オリジナル文庫版が明日6日に発売されます。もちろん久保井も登場します。幸田さんの「日本国債」が発売されたのが2000年11月でした。財務省の資料からプライマリーバランスの推移を追ってみると、当初予算ベースで、この2000年度は-10.6兆円であり、その後年々赤字幅が拡大し2003年度には19.6兆円に拡大しています。しかし、2004年度以降は赤字幅が縮小し2007年度には-4.4兆円になりました。

 「日本国債」が発売されベストセラーとなった背景のひとつが、日本の政府債務が拡大し続けていることで、日本が財政破綻を起こすのではないかとの危惧が広がっていたこともあったかと思います。そういった危機意識の広がりに対処するためにも、やはり2000年から登場した小泉政権は財政構造改革を進めました。国民もそれを受け入れ、その結果、財政構造改革が進むとともに、民間企業のがんばりに加え景気回復というフォローの風も吹いたことで税収も伸びた結果、プライマリーバランスの赤字幅は大きく縮小しました。

 このため一時の危機意識は後退し、結果として「日本国債は危なくない」ことも立証されました。しかし、そうはいっても政府債務が増加し続け、いまだに国債発行額は世界最大となっている上、発行残高も547兆円にも膨らんできています。

 昨年の平成19年度予算の財務省における説明会でも、プライマリーバランスの均衡といった目標だけでなく、さらに踏み込んで政府債務そのものを減らすような目標を立てるべきではないかといった質問が財務省に向けられていました。財政は健全化の方向に向けて動いてはいるものの、健全化に至るにはまだまだ道のりは長いことも事実です。安易な増税といったものではなく、規制緩和などを含めての構造そのものの改革の余地はまだまだあると思われます。日本の金融の大きな柱ともなっている「日本国債」の信任を維持させるためにもこの財政の健全化への歩みは止めるべきではないのも事実です。

 こういった国債や国の財政について再び考えてみるのも必要ではないでしょうか。小説「日本国債」はストーリーそのものもたいへん面白いものとなっているとともに、やや取っ付き難い国債のことを知るためにも絶好の教科書ともなっています。まだ読んでいない方はもちろん、一度読んだ方も再度目を通されてはいかがでしょうか。
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by nihonkokusai | 2007-01-05 10:12 | 国債 | Comments(0)
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