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「年内利上げは見送り」


 日銀は18日の金融政策決定会合において現行の金融政策を維持することを全員一致で決定した。福井日銀総裁は会合後の会見において「フォワードルッキングながらも足元の経済物価情勢を無視できない」と発言した。個人消費や消費者物価などに関して、弱めの指標が出ていたことなどから今回の追加利上げは見送られたものとみられる。

 12月8日に発表された7-9月期GDPの二次速報においては民間消費が-0.7%から-0.9%にさらに下方修正されるなど個人消費は弱含んでおり、また10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+0.1%と予想の平均+0.2%を下回っていた。18日に発表された12月日銀金融経済月報でも足元消費は「やや伸び悩みつつ増加基調」と判断が下方修正されている。

 1月の利上げに関しても引き続き総裁は「予断をもって臨まず」との姿勢を継続している。「日本経済はゆっくり分析する時間を与えてくれている」「追加利上げに確信もてるまで今後の情報を丹念に点検」とも総裁は発言しているが、仮に1月の17日から18日の金融政策決定会合にて追加利上げが可能となるには、それまでに発表される指標、特に消費や物価に関する指標の確認が必要となる。もちろん設備投資の落ち込みなどがあっても利上げは難しくなる。

 今後発表される経済指標で注目されるものは、12月26日に発表される11月の全国消費者物価指数、11月家計調査(実質消費支出、全世帯)がある。さらに12月27日は11月商業販売統計速報、27日には11月の自動車販売台数や新設住宅着工件数なども発表予定となっている。12月28 日には11月鉱工業生産の速報値が発表されるが特に消費財出荷などに注意が必要となろう。28日には他に11月勤労統計も発表される。1月に入り12日に景気ウォッチャー調査、そして15日には11月の機械受注の発表もある。16日の企業物価統計なども注意が必要かもしれない。これらの数字の多くが、ある程度強い数字とならなければ1月18日の利上げも難しくなる。

 総裁の会見内容などからも、これまでとはやや様相が変わり、かなり慎重な対応となっているかに伺える。政府内部からも今回の決定会合における利上げを反対する声も出ていたが、それとともに財界からも北城同友会代表幹事による「日銀が決定会合で金利上げなかったのは適切な判断」といったコメントなどを見てもわかるように、慎重な対応を求められていた。追加利上げを実施するためには「生産・所得・支出の好循環」(福井総裁)を支援しうる、かなりしっかりした経済指標といったものも必要となろう。

 このため、現在のところ1月18日の追加利上げに関しても、可能性はやや後退しつつあると見ざるを得ない。11月の消費などが急回復してくる可能性は強くないとみられ、回復基調を確認するには12月の数字といったものの点検も必要になるのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2006-12-19 17:09 | 日銀 | Comments(0)
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