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「日銀総裁や審議委員による個人消費への発言」


 11月24日の茨城県経済界との意見交換会における福間日銀審議委員の講演から、12月6日の長野県金融経済懇談会における西村日銀審議委員の講演に至るまで、4回の福井総裁の講演を挟んで8回もの総裁や審議委員による講演が開催された。そして、12月18日から19日の金融政策決定会合においては、追加利上げの有無を巡っての論議が繰り広げられる可能性がある。

 追加利上げを巡っては市場関係者の間でも見方は分かれている。ここにきて発表されている経済指標がやや斑模様ともなっており、特に個人消費の落ち込みといったものも大きな懸念材料となっている。

 12月11日に発表された11月の消費動向調査によると、消費者態度指数は一般世帯で48.7となり前月比0.5ポイント上昇した。これにより内閣府は貴重判断を「弱含み」から「改善の兆しがみられる」に上方修正している。内閣府の消費総合指数で見ると10月の消費データ(季節調整値)は 109.4と5月の水準に回復している。7-9月期に関しては、12月8日に発表された7-9月期GDPの二次速報において民間消費が-0.7%から- 0.9%にさらに下方修正されるなど個人消費は弱含んでいるものの、10-12月期にはそこからは回復してくる可能性もあるが、それも今後発表される指標を確認する必要もある。

 こういう状況下、まず11月24日の福間審議委員は講演で、「企業部門の好調は、徐々に家計部門に波及していますが、今のところ期待したほどではありません」「個人消費関連指標は、夏場の天候要因もあって、今一つ芳しくありません」としている。

 11月27日の大阪と28日の名古屋における福井総裁の講演では、「7-9月期のGDP速報では、個人消費が前期比-0.7%と減少しましたが、これには、基礎統計である家計調査の消費支出が大幅に減少したことが影響しているとみられます。家計調査は、販売統計など他の消費関連統計に比べかなり弱い数字となっている点には留意が必要です」「7~9月の個人消費の動きが弱めであったことは確かであり、これが天候不順やたばこ増税といった一時的要因によるものであったかどうか、秋以降の個人消費の動きをよくみていきたいと思います。」

 11月30日の野田審議委員は岡山での講演で、家計部門に関して「雇用者所得の増加は、雇用者数の増加を映じたものであり、一人当たりの賃金という面での上昇は極めて緩やかなものに止まっています。」として好調な企業部門に対して雇用者所得が伸び悩む惧れを指摘している。

 12月5日の講演で水野審議委員は、7-9月の関連指標を示しながら、「個人消費は、増加基調にあると判断されますが、個人消費関連統計に表れている温度差については、今後慎重に分析を深めていく必要があると思います。」としている。

 そして12月6日の長野県での西村審議委員の講演では、「企業部門の好調さが家計部門へ波及するスピードは比較的ゆっくりとしたものであることは、否定できないと思います。他方、7~9月期GDP統計の民間最終消費支出の弱さは、家計調査報告に絡む特殊要因の影響による可能性もあるのではないかと思われます。」としており、さらに、「不確実性」に関しても言及している点が興味深い。「将来についての不確実性が高まっていると同時に、足許の経済状況がどうなのか、ということにも不確実性がつきまとっています。」

 さらに西村審議委員は、「こうした中で、日本銀行政策委員会としては、内外で公表される様々な経済指標を精査し、これらにつきまとう誤差や歪みをできるだけ取り去り、経済指標が指し示している将来への情報を読み取っていかなければなりません。そこには、経済指標を虚心坦懐に慎重に吟味する態度が必要であることは、言うまでもありません。その上で、もう一度基本に戻って金融政策の姿を考える必要があります。」と発言しており、18日から19 日にかけての金融政策決定会合では、日銀として経済指標を虚心坦懐に慎重に吟味した結果が出されるものと思われる。
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by nihonkokusai | 2006-12-12 13:00 | 日銀 | Comments(0)
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