「10月の鉱工業生産指数は前月比+1.6%」
本日発表された10月の鉱工業生産指数は前月比+1.6%となり、予想の-0.5~-0.7%を大きく上回るサプライズとなった。10月の生産は前月比 1.6%の上昇と2か月ぶりの上昇(前年同月比は7.4%上昇)となり、指数水準は107.8(季節調整済)となった。この生産指数の107.87は過去最高水準となる。11月生産予測は前月比+2.7%、12月は+0.1%と発表された。
品目別では、半導体製造装置や蒸気タービン、自動車などの輸出が好調だったほか、液晶テレビやゲーム機、携帯電話向けの半導体が上昇に寄与したようである。10月の生産が予想以上に強かったのは、こういった電子部品・デバイス工業が当初の見通しを大幅に上回ったことが寄与していると指摘されている。製造工業予測指数によれば、電子部品・デバイス工業における11月の生産見込みは同+5.3%と先月時点での11月予想(同+1.9%)から上方修正されている。また、在庫は前月比で6か月連続増加となり、前年比では在庫水準は+41.7%と高い水準となっているが、これは年末商戦などを意識して、先行きの需要拡大を見越して在庫も積み上げられているものとみられ、「意図した在庫積み増し」とみられる。
すでに米国の年末商戦も液晶テレビやゲーム機主体に好調なスタートを切っているが、日本でも新型ゲーム機については年内入手すらかなり難しい状況にある。普及価格帯に移行しつつある液晶テレビなどの売れ行きも好調となり、地上デジタル放送の全国展開などもあわせ普及率が大きく上昇する可能性が高い。それとともにDVDレコーダーの売れ行きも伸びてこよう。懸念される携帯電話も今後、ニーズの強い新型商品がドコモやauなどから続々発売されることからナンバーポータビリティの影響もあり、販売拡大に繋がりやすい。国内の年末商戦を気にするむきもあるが、ことハイテク商品について問題はないと思われる。