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「福井日銀総裁の講演などより」


 24日の茨城県経済界との意見交換会で福間年勝審議委員は、はその基調説明において「FRBのコーン副議長は、87年のブラックマンデー、98年の LTCM危機などにおける資産価格の急激な変動を踏まえた教訓の一つとして、「わずかな予防は、膨大な事後対応にも値する(an ounce of prevention is worth many pounds of cure)」ことを指摘しています。」と発言した。

 また、27日の大阪大学金融・保険教育研究センター設立記念講演における福井日銀総裁の挨拶には、「80年代と同じようなバブルの再来を防ぐ環境は、かなり整えられてきたのではないかと考えられます。しかし、歴史上のあまたの例を引くまでもなく、次のバブルは形を変えて忍び寄ってくる可能性があります。」との内容もあったが、これもコーン副議長の教訓が意識されたものか。

 実質消費支出が前年比-6.0%と大きく落ち込んだ9月の家計調査や、前月比-7.4%とこちらも予想を下回った9月の機械受注などのように弱めの指標が続いていた。9月の家計調査について福井総裁は、「前期に大きく増加した反動の面があるほか、携帯電話の受注減が大きく寄与している模様」とし、家計調査については「販売統計など他の消費関連統計に比べかなり弱い数字となっている点には留意が必要です。ただ、この点を割り引いたとしても、7~9月の個人消費の動きが弱めであったことは確かであり、これが天候不順やたばこ増税といった一時的要因によるものであったかどうか、秋以降の個人消費の動きをよくみていきたいと思います」としている。

 これらに対して、7~9月期のGDP速報値が前期比年率+2.0%と市場予想を上回るなど、強めの数字も出ており、これらを受けて債券市場においても大きく値動きしており、市場関係者の景況感が振れやすくなっていることも確かである。

 ただし、福井総裁は「強弱双方の経済指標が出ていますが、いずれも、こうした経済のメカニズムが変わったことを示唆するものではないと考えています」とも述べており、展望レポートで示した「経済・物価情勢の見通し」に沿って経済・物価が推移しているとみている。

 data dependant(データ重視で)という意味で、今後、市場が注目するとみられる経済指標としては、来週以降では、10月家計調査さらに12月8日発表の7~9月GDP改定値と10月の機械受注、そして12月15日の日銀短観などがある。

 福井総裁は名古屋の講演において、「需給ギャッププラスになり、昨年秋以降景気は新しい局面に入った」「2%付近への成長鈍化でも、物価上昇率は目立たない形でたまっていく」「金融政策、景気の振れを小さくして企業活動やりやすい環境を提供」「引き締めるのではなく、景気を長持ちさせるための金利調整は避けられない」「市場をサプライズさせるのではなく、十分コミュニケーションをして政策を行う」(以上、ロイターより)といった発言をしており、秋以降に新しい局面に入り、市場と十分コミュニケーションを取った上で、景気を長持ちさせるため適切な金利調整を行うことを示唆している。

 そのタイミングについては「いかなる時期も、頭から排除して考えていない」「具体的なタイミングをすでに念頭においているということもない」と27日の記者会見で総裁は述べているが、これらの発言から見る限りにおいて、年内12月の可能性も引き続き高いものと思われる。
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by nihonkokusai | 2006-11-28 13:48 | 日銀 | Comments(0)
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