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「郵政民営化関連法案、参院本会議で否決による債券市場への影響」

 8日の午後1時に郵政民営化関連法案が参院本会議で採決され否決された。先行きへの政局不安も高まったものの、結果とすれば、あらためて国民の声を聴くということは必要なのかもしれない。郵政民営化を主体とする小泉構造改革は、反対派が自民党内にいることで本来の目的からやや乖離しつつある。構造改革自体が妥協を重ねるうちに民営化との流れがすっきりしたものとならなくなっている。そのため選挙を行うことで、小泉政権後も財政構造改革、民営化、市場化、小さな政府といった方向性をさらに強固なものとしてほしいと思う。

 自民党も仮に構造改革に反対する人たちが多く残ってしまうようでは、今後の改革の妨げにもなろう。リニューアルした改革派がしっかり政権を担って、これまでの中途半端な改革ではなく徹底した改革を進めなければならない。日本の巨額債務を見るまでもなく、これには国の存亡すらかかっているといっても決して過言ではないはずである。

 衆院は解散総選挙となったがこれによる債券市場へのインパクトを考えてみたい。福井日銀総裁がコメントしていたように、日本では景気の踊り場からの脱却の可能性が次第に強まっている。今年度の設備投資計画も15年ぶりの2桁増となるなどしており、個人消費も好調。ガソリン価格の上昇など懸念材料もあるものの、引き続き経済は上向きの状態が続くものと見られる。解散総選挙による政治的な空白期間も懸念されていたが、今回の景気回復はこのように民需主導であり影響は限られる。

 すでに長期金利は上昇トレンド入りしたものと見ており、今回の衆院解散総選挙によってこの流れが変わるとは思っていない。小泉改革は財政の援護がなくても景気は回復できることを示した。むしろ財政出動による景気刺激といったものは今行われたとしても百害あって一利なしといった状況にすらなっている。

 今回の金利上昇は長期金利だけではなく短期金利も上昇圧力を強めている点に注意したい。10月以降の全国コアCPIのプラス転換もほぼ確実視され、量的緩和解除に向けての条件も徐々にではあるが整いつつある。日銀も早ければ来年前半の量的緩和解除も視野に入れているとも見られている。誰が政権を取るかによって、日銀の金融政策の自由度に変化が生じるとの見方もあるが、現政権に比べて大きな変化が出る可能性はむしろ薄い。

 好調な需給なども反映して長期金利の上昇ピッチは鈍いものの長期金利はいずれ1.5%を抜けてくるものと思われる。しかし、ここもやはり通過点になるものと予想している。

(レポート原稿のため、一部これまでの内容と重複しております。)
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by nihonkokusai | 2005-08-10 10:08 | 債券市場 | Comments(0)
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