牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「10月の展望レポート」


 31日に発表された日銀の経済・物価情勢の展望、いわゆる「展望リポート」においては、前回と比較して「これまでのところ、企業部門は幾分強め、家計部門は幾分弱めとなっている」ものの、「日本経済は息の長い拡大を続ける」として景気判断は据え置いた。

 実質国内総生産(GDP)の伸び率の見通しについては、2007年度は4月予想の2.0%から2.1%にわずかながらも上方修正された。2006年度の消費者物価指数(除く生鮮)の見通しについては中央値が+0.3%程度、2007年度は+0.5%の見通しとなった。この数値はもちろん2005年基準に直してのものであり、日銀は「CPIの基準改定により同指数の伸び率は2006年1~7月の平均でみて0.5ポイント程度低下したが、移動電話通信料などで指数計算方法が変更されたことの影響の多くは当該品目の指数の変化後1年を経過した時点で剥落、このため新旧基準の乖離幅は今後縮小すると考えられ、 2000年基準で示した前回の見通しと比べ基調的な判断は変わりない」としている。

 日銀はこうした比較的強気の物価や経済の見通しなどを背景に徐々に金利調整を行うとの姿勢を改めて打ち出しており、年内も含めての追加利上げの必要性を示す方針とみられる。追加利上げの時期については引き続き「予断は持たず」との姿勢とみられる。

 ただし、8月の10月27日に発表された8月の全国CPIは前年同月比+0.2%となったことで、債券市場などでは年内利上げ観測も後退していたが、この展望レポートの内容からも日銀は引き続き年内も含めてターゲットを置いていることも確かであろう。

 「消費者物価指数の前年比は、需給ギャップが需要超過幅を緩やかに拡大し、ユニット・レーバー・コストからの下押し圧力が減じていくもとで、2007年度にかけて前年比プラス幅が次第に拡大していくと予想される」としており、PIが再び下落方向になることはないと見ているようである。

 日銀は翌日物コールレートの0.25%という現状の金利もまだ非常に緩和的と認識しているとも見られており、「極めて低い金利水準による緩和的な金融環境を当面維持しながら」も、「経済・物価情勢の変化に応じて、徐々に金利水準の調整を行う」としている。

 現在の金利を極めて低い水準と認識し、フォワードルッキングな観点で小刻みな金利調整を志向している日銀は、この経済・物価が展望シナリオに沿って進展することを確認した上で、追加利上げの時期を見定めていくとの見方であるとみられる。
[PR]
by nihonkokusai | 2006-11-01 13:43 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー