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「展望レポート予測」


 31日に発表される日銀の経済・物価情勢の展望、いわゆる「展望リポート」が注目されているが、その内容に関して25日にロイターが「日銀展望リポートで利上げの必要性示す、CPIは今年度0.3%・来年度0.5%程度の方向」と報じている。

 展望リポートでは、2006年度の消費者物価指数(除く生鮮)の見通し中央値が+0.3%程度、2007年度が0.5-0.6%になる見通しのようである。これはもちろん2005年基準に直してのものであり、2007年度はやや高めと出る可能性はすでに指摘されており、この予想にも違和感はない。

 ロイターによると、「日銀はこうした物価や経済の見通しなどを背景に徐々に金利調整を行うとの姿勢を改めて打ち出し、追加利上げの必要性を示す方針だ。政策変更の時期は、年内の可能性も含めて今後の経済指標や市場動向なども材料にしながら判断していく」と、追加利上げに向けての姿勢を打ち出す方針のようである。これについてみ福井日銀総裁の会見などによる発言内容と整合性もあることで違和感はない。時期については引き続き「予断は持たず」との姿勢を表明するとみられるが、年内も含めてターゲットを置いていることも確かであろう。

 4月展望リポートでは、CPIの見通し中央値は、2006年度が+0.6%、2007年度が+0.8%。多くの幹部は「物価見通しは4月時と大きく変わっていない」と述べているようである。8月にCPIは2005年基準に改定され、1-7月平均で0.5%程度下方修正されている。ただ、「下方改定幅は、年初が大きくなっている点や、携帯電話料金の指数算出方法の見直しに伴う部分0.14%ポイントが11月以降ははく落することなどから、06年度を通してみると、0.3%ポイント強の押し下げ要因になる」(ロイター)と日銀では分析しているようである。さらに「基準改定実施後初めての展望リポートとなる今回は、基準改定のCPIへの影響について記述する方向だ。」とか。この説明も当然ながら必要なものであろう。

 原油価格が7月のピーク時から1バレルあたり約20ドル下落し、CPIがマイナスに戻ることへの懸念を示し始めているむきもあるが、日銀は一進一退となるだろうとの見方をしているものの「CPIが再び下落方向になることはない」とも見ているようである。1バレル60ドル前後という現在の水準は、4月展望リポート時と同水準であることや、世界経済の拡大が続く以上、さらに原油価格が下落する可能性は低いと見ていることなどがその背景にあるともロイターは指摘している。

 ソフトバンクモバイルが23日に発表した携帯電話新料金プランについては、総務省が今回の値下げを消費者物価指数にどのように採用するか、他社がどのように動くかが分からないため「現時点ではCPIへの影響は不透明」とのスタンスも当然かと思うが、ソフトバンクを使っている私の私見では全く影響はないと思っている。ドコモなどが追随するほどの影響はなく、むしろソフトバンクからの流出の方が避けられないものとも思っている。一見して低料金に見える今回の新料金プランについて、私を含めてあまり好意的には見ていない向きも多いと思われる。

 また、成長率の見通しについても「4月と大きく変わらない」とみられ、これに関して大方の予想通りではないかと思われる。

 「経済が緩やかに拡大し、物価も緩やかに上昇するとのシナリオを維持する中で、展望リポートでは金融政策について、経済・物価情勢の変化に応じて、徐々に金利水準の調整を行うとの姿勢を改めて示す見通し。」(ロイター)

 さらに、「日銀は翌日物金利0.25%の現状は非常に緩和的と認識している」(ロイター)とも見られているが、これについてもこれまでの日銀幹部の発言を見る限り、そういった認識は共有していてもおかしくはない。「超低金利を継続することで、先行き、設備投資の過熱や資産価格高騰などゆがみが出る可能性があるため、徐々に金利水準を調整することで物価安定化での持続的な成長を長続きさせるとしている。ただ、現時点で設備投資や土地投資に過熱感が出ているとは見ていないほか、物価上昇も緩やかなペースにとどまると予想している。このため金利調整はゆっくりと進めるとの考え方を維持している。」 (ロイター)

 これは福井総裁の会見などでもコメントされていた内容でもあり、これにより、「超低金利継続によるゆがみが顕在化する前に、金利調整を行うことが必要との指摘は多くなっている」ことで、「フォワードルッキングな観点で小刻みな金利調整を志向する」日銀は、経済・物価が展望シナリオに沿って進展することを確認した上で、追加利上げの時期を見定めていくとの見方には、私も同意である。
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by nihonkokusai | 2006-10-27 09:17 | 日銀 | Comments(0)
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